PK奪取のキラーパスを通した久保建英は1-0勝利のパナマ戦で「爪痕を残すこと」ができたのか?
後半に入って完全に主導権を握った日本だが、結果そのものは不完全燃焼に終わった。久保との交代で後半27分から投入されたFW浅野拓磨(パルチザン)が、自慢のスピードを駆使してGKメヒアの一発退場を誘発。後半32分以降は数的優位に立ち、MF三好康児(アントワープ)らが決定的な場面を迎えながら、ダメ押しの追加点を奪えなかった展開に森保監督もこう言及した。 「一人少ない相手が前がかりになり、カウンターでチャンスを作れるなかで試合を決めなければいけない。そこは今日の試合で出た課題のひとつかな、と思っています」 パナマ戦前日のオンライン取材で「爪痕を残したい」と、引き続き代表に招集されるための結果を求めていた久保も、期待される初ゴールはまたもお預けのまま代表での10試合目を終えた。 「それは記者のみなさんであるとか、周りの第三者の方が決めることだと思うので。評価していただけるなら嬉しいですね」 南野へのパスが「爪痕」になるのか、と問われた久保は笑顔を浮かべながら、待望の瞬間を具体的に思い浮かべている。 「やり続けることが大事だと思っています。今日も何回か、最後のパスをもらえたらとか、最後に通っていたらという場面はあったので。今日は結果として(PKの)起点というプレーでしたけど、どんどん自分も(相手ゴール前へ)飛び込んでいって、いいところでボールをもらって、という今日みたいなプレーを続けていけば、本当に近いのかなと思います」 日本時間18日午前5時からは、同じ試合会場でメキシコ代表との国際親善試合がキックオフを迎える。新システムにトライするなかで前半と後半とで異なる顔をのぞかせ、決定力に課題を残しながらも10月のオランダ遠征から3試合連続で相手を零封。何よりも勝利という結果を手にした波に乗って、ワールドカップの決勝トーナメント常連国でもある、FIFAランキング11位の強豪に挑む。 (文責・藤江直人/スポーツライター)