通販・ECの「No.1」表示、消費者はどう感じている? 事業者はなぜNo.1表示を行うのか? 実態調査まとめ
サンプルのような表示を見た際、それぞれ4割以上が「同種の他社商品と比べて優れていると思う」と回答。「顧客満足度 No.1」「人気No.1」を訴求するエンブレムについては半数を超えた。
エンブレムを見た際に、No.1とされている商品や同種商品の「実際の利用者を対象に調査をしていると認識するかどうか」についても聞いた。全ての表示で、4割超が「実際の利用者に調査をしていると思う」と回答。この質問についても「顧客満足度 No.1」「人気No.1」を訴求するエンブレムでは半数を超えた。
□ 具体的なサンプルに対する印象(高評価%表示)
「高評価%表示」についても2つのサンプルを用いて消費者の認識について調査した。
各表示を見た際に「同種の他社商品と比べて優れていると思う」かどうかを調査。その結果、「医師の 90%が推奨」と訴求する表示については約5割が「他社商品と比べて優れていると思う」と回答。「▲▲に悩む方の 90%が支持」と訴求する表示についても約4割が同様の回答だった。
「医師の 90%が推奨」表示について、医師がどのように関与をして「推奨」していると認識するのかも調べた。推奨されている商品は「医師の知見による専門的な根拠や裏付けがある」、「商品等の品質・内容に関する客観的なデータを元に調査を行っている」「回答者が医師だと確認している」ーーと思うとの回答がそれぞれ約5割だった。
「▲▲に悩む方の 90%が支持」表示については、40.0%が「様々なサービスを試した結果、サンプルで表示しているサービスに行き着いたと思う」と答えた。 ■ 広告主に対するヒアリング調査 □ No.1 表示等を行った目的 消費者庁は広告主側にもヒアリングを実施。No.1表示を行った目的としては「競合他社が No.1 表示を行っているため」という回答が多く寄せられたとしている。またヒアリング対象の広告主の多数は、No.1 表示の広告効果を具体的に把握・検証をしておらず、大きな広告効果を期待している広告主は多くなかったという。高評価%表示についても、大きな広告効果を期待している事業者は多くなかった。 □ No.1 表示等を行った経緯 No.1 表示類を行った経緯もヒアリングした。調査会社などの勧誘によって表示を行っていた広告主が多かったという。委託先の調査会社を起用した理由については、費用面や調査会社から「調査は適法である」と説明を受けたことを理由に挙げる広告主が多かった。 ヒアリングによると費用は1フレーズ 10万円~数十万円が多かった。広告主からは「ランニングコストがかからないことからすると、安いという認識だった」、「大手と比較して費用が安かった」など、費用の安さに魅力を感じたという回答があった。