「1日80万/カンボジア」SNSで高額な報酬を提示 “嘘の求人”になぜ騙される?「遠いことでの信憑性」「損失回避のため」
SNSで高収入をうたった嘘の求人に騙されてカンボジアに渡航し、特殊詐欺などの犯罪を強要させられるという事件が相次いでいる。 【映像】脅迫まがいの詐欺マニュアル(実際の映像) 「『海外出稼ぎ』『楽しくリゾート』『高収入』といったポジティブな条件が出てきて、楽しそうに書いてある。全然簡単、仲間と一緒にみたいな」そう語るのは、日本人によるカンボジアでの特殊詐欺事情を取材した泰梨沙子さん。実際に求人募集を見てみると「1日80万/カンボジア」「1日300万/ラオス」などと等の好条件が記載されている。しかし現実は楽しいリゾートとは程遠い。 実情について泰さんは「お迎えが来ていてパスポートを取り上げられる。拠点に連れて行かれて、場所にもよるがほとんど監禁状態。外に出してもらえない」と話す。 現地では詐欺マニュアルも流通しているそうで、そこには「警察に協力しようものなら出所後に制裁を受けてもらいますのであしからず!!」と記載されているという。 魅力的なキーワードが並んだ求人募集とはいえ、なぜカンボジアまで足を運んでしまうのか。心理学が専門の明星大学・藤井靖教授は「逆に遠いから信憑性が増すところもある。それだけコストをかけるのだから、これくらいのことはあるかもしれないという」と語る。 さらに「SNSを毎日見ていると『これだけ儲けた』『株で稼いでいる』といった情報が溢れていて、そのなかには真実もある。この情報(嘘の求人)を見て、ここにエントリーしないと機会を失うかもしれないという損失回避の心理が強く働くのではないか」と推察した。 「実際、行きかけた人にカウンセリングをした機会があったが、その方の話を聞くと『リゾート気分で行ってみよう』といった感じ。そして、『知り合いの人も行っている』という口コミの力も大きい。誰かが行ってお金を稼いできた話を聞いた上に、この文面と相まって行動に移してしまうことはあるだろう」(藤井教授) (『ABEMA的ニュースショー』より)
ABEMA TIMES編集部