ディスカウント店の“異端児”IT駆使で激安価格「トライアル」【Bizスクエア】
■IT駆使で激安価格「トライアル」 AIカメラで欠品を自動検知 トライアルホールディングス 永田洋幸取締役: こちらの棚は、(AI)カメラで欠品を確認している。この緑の枠は問題ないのに対して、赤い枠で、売り場責任者に「商品を補充してくださいと(知らせる)」。 ――売り場の人が、常に見回らなくて済むと同時に、発注情報に活かすことができる? トライアルホールディングス 永田洋幸取締役: (発注に)活かすことも難しくなく、現時点で進めている。メーカー・卸会社と(欠品情報を)共有することで、スムーズな流通の流れを作ることができる。お互いの収益化をもっと目指せる形を取らないといけない。 トライアルの独自推計によると、流通小売業界に存在するムダは、約40兆円にものぼるという。 ■福岡を「日本のシリコンバレー」に。トライアルが挑む「流通情報革命」 こうしたコストを企業の垣根を越えたDX化で削減する――。そんな壮大なプロジェクトが今、トライアルが中心となり福岡県で進められている。福岡県・宮若(みやわか)市。トライアルグループのリテールDX開発拠点だ。 廃校を利用した施設の中にはメーカーや物流会社など様々な企業の看板が並ぶ。宮若市でのプロジェクトには約50社が参加し、トライアルが今まで集めてきた(購買)データを使って、各社の分析をしてもらい、客の新たなニーズを発見したり、それによって商品開発につなげたり、マーケティング活動に使ってもらっている。 この日、打ち合わせをしていたのは花王とサントリー。両社が進めていたのは、トライアルが持つ匿名化された購買データを基にした、効果的な販売促進。実際にサントリーの「ほろよい」などを購入した客に、花王のハンドクリームのクーポンが、トライアルのレジカートで提供された。同じ客層をターゲットにした戦略だ。 花王グループ カスタマーマーケティング株式会社 浮田弘明さん: なかなか関わることのない業界で、データも(普段は)見ることがないが、今回、「データ相関性が高い」というデータも見ることができたので、今回(コラボの)実現にいたった。