【北海道の美味いパン】地元小麦で作る「加納製パン」のカンパーニュ
おいしいもののためならどこまでも! 国内外問わず、食の探求のためにさまざまな地に暮らしてきたノマドなエディター、ヤミー高山こと、高山裕美子さん。このたび、北海道・十勝へ拠点を移し、冒険開始。日々の暮らしのなかで出会った、食指も心も動かされた素晴らしい作り手たちに、北の大地を駆け抜けていま、会いにゆきます! 国産小麦で作るパン(写真)
「加納製パン」の、地元で育つ小麦で作るカンパーニュ
【写真】ただならぬオーラを放つ、庄司農場のライ麦40%、ゆめちから全粒粉、有機キタノカオリをブレンドしたカンパーニュ。ホール¥1,800 少し前まで東京で、食の雑誌の編集をしていたのだが、ひょんなことからこの夏、十勝に拠点を移しまして、プチカルチャーショックな毎日を送っている今日この頃。タコの頭のボイルがスーパーにいくつも並んでいる様子とか(道産子はタコ頭が好き)、アスパラガスの種が飛んできて、一般家庭の庭にアスパラガスが生えていたりとなかなか楽しい。 ここ、十勝平野は小麦の一大産地。7月中旬になると麦畑の穂が黄金に輝きはじめてそれが本当に美しい(『ライ麦畑でつかまえて』の脳内再現図が変わったぐらい)。地元産の小麦にこだわるベーカリーも多く、私の日々の食卓を支える帯広市の「加納製パン」も然り! 昨年、仕事で東京から北海道・鹿追町を訪れ、滞在先のB&Bで出てきたのが「加納製パン」のカンパーニュだった。2cmの厚さにスライスしたものを軽くトーストされたそれは、香ばしい小麦の香りが鼻孔をくすぐり、噛むごとに自然の甘味が口いっぱいに広がって、朝から幸せな気分になったのを覚えている。そのパンが、今や焼きたてを買いに行ける距離にあるのだ(とはいえ車で30分かかるけど)。 初めて「加納製パン」に立ち寄ってびっくりしたのが、店頭に並んでいるのがほぼカンパーニュだったこと。どのパンもただものでないオーラを放っており、表情がさまざま。帯広市でこんな攻めたラインナップとは!しかも、早ければ14時には売り切れてしまうという。