【北海道の美味いパン】地元小麦で作る「加納製パン」のカンパーニュ
【写真】「オフイビラ源吾農場の小豆がおいしかったから」と、作り始めたあんサンド。リュスティックに自家製のあんことクリームチーズ、もしくはバターを詰めて(各¥260)。パンは塩味を強くしており、大人のあんパン 「自家製酵母を使っていますが、酸味が強く出ないように調整したり、高加水気味にしてふんわりした食感になるようにしたり。ハード系のパンというとヨーロッパのイメージだけど、そのまま真似をするんじゃなく、誰が食べてもおいしいパンを目指しています」と加納さん。一般的にはパンは焼きたてがベストとされるけど、天然酵母のカンパーニュは焼いてから時間がたつにつれ、また違った美味しさが生まれるそう。二度美味しいのは、ちょっと得した気分。
【写真】空き家になっていた実家の古い家屋をリノベーション。右の家屋は使用していないのだが、将来的にカフェになるかも?とまだ妄想段階だそう オープン時は、認知度の低いハード系のパンだけで経営が成り立つか心配だったそうだけど、今では固定客も増え、週末は北海道外や道内でも遠方からの客も多数訪れる。 「早い時間に売り切れていることが多いですが、もっとパンを焼いたらさらに売れるんじゃないですか?」と聞いたところ、「余ったパンを廃棄したくないんです。2年営業してみて、どれぐらい焼けば無駄が出ないかはわかっているので、平日は少なめに、週末は数を少し増やしています」とのこと。「利益をもっと出そうとしたら、拘束時間も増えてしまうし、そうすると心に余裕がなくなってしまう。だったら、無理なくできることを無駄なく確実にやる」。その加納さんの考え、最高すぎる。「おじいちゃんになっても、職人として美味しいパンが焼けるように努力し続けたいですね」と笑う加納さんを見て、近所にこんな素敵なパン屋さんがあって、はるばる移住してきた甲斐があるものだと思う。 加納製パン 住所:北海道帯広市西15条南12-1-48 営業時間:10:00~、日曜7:30~どちらも売り切れ次第閉店、 定休日:月・火曜 @kanou_seipan 不定期に配送も行っているのでSNSをチェック。 TEXT BY YUMIKO TAKAYAMA 高山裕美子(たかやま・ゆみこ) エディター、ライター。ファッション誌やカルチャー映画誌、インテリアや食の専門誌の編集者を経て、現在フリーランスに。国内外のローカルな食文化を探求することがライフワーク。2024年8月に、東京から北海道・十勝エリアに引っ越してきたばかり