医師が解説!お腹の「ガスだまり」の原因と即効性のある解消法
腸内にガスが溜まってしまい、お腹が張ったりゴロゴロ鳴ったり…。時には、不快感を我慢をしつづけて体調不良の原因になってしまうことも。そこで本記事では、お腹の「ガスだまり」の原因をはじめ、ガスだまりを解消できるおすすめの姿勢や動きについて医師が解説します。 【写真】栄養士が推薦する「腸内環境」を整える食材と効能
ガスが溜まる原因
そもそもなぜ、体内にガスが溜まるのでしょうか。「国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(NIDDK)」によると、通常ガスは空気を飲み込んだり大腸内のバクテリアが未消化の炭水化物を分解する際に、胃腸に入り込むことが多いそう。 また、以下の食品を食べるとお腹の中にガスが溜まりやすくなるんだそう。 ・りんご、桃、梨などの果物 ・ブロッコリー、カリフラワー、カラードグリーン、ケールなどの野菜 ・ミルク、アイスクリーム、ヨーグルトなどの乳製品 ・全粒小麦などの全粒粉 ・高果糖コーンシロップを含む飲み物 ・キャンディー、ガム、またはソルビトール、マンニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトールなどの甘味料を含む製品 さらに、これらの食品はお腹にガスが溜まりやすいだけでなく、ゲップや膨満感、おならなどの症状を引き起こす可能性もあるそう。
ガスだまりの解消法
お腹の中にガスが溜まっていると感じるときは、以下の方法でガス抜きをしてみましょう。 ・ウォーキング 消化器専門医でRutgers Robert Wood Johnson Medical Schoolの准教授であるエレン・シュタイン医学博士によると、ウォーキングをすることで体からガスが出やすくなるそう。 「ウォーキングによってガスが出やすくなるのは、体や脚の動きに関係しています。ウォーキングは、消化管よりも高い位置にある体内のガスを直腸に移動させ、ガスを体外に放出するのに役立ちます」 また非営利団体「Spectrum Health」の消化器専門医であるランディー・マイズナー医学博士は、「ウォーキングをすることで腸内の筋肉が動き、体内のガスを出やすくする効果がある」と説明しています。 ・横になる 「横になるだけで簡単に体内のガスを排出することができる」と説明するのは、ベイラー医科大学の胃腸病学助教授であるルーカス・クワピス医学博士。 「私たちには、約15フィート(約4.5メートル)の小腸と3フィート(約91センチ)もの大腸がお腹に備わっています。そしてこれらの腸はお腹に収まるように、体内で回転してたりねじれているんです」 「そのため便やガスは、これらの腸の曲がり角周辺で詰まってしまう可能性があります」 上記のことが原因で体内にガスが溜まっている場合があるので、横になると体の側面に重力がかかり、腸内に溜まっているガスを動かせるのだとか。 方法: 1. 15分間横になる 2. そのまま膝を胸の方向に向かって上下に動かす 3. 反対側も同様に繰り返す ・しゃがむ 膝を胸に近づけるしゃがむポーズも、お腹に溜まったガスを放出する効果があるとランディー医学博士は説明。このポーズは便秘解消の効果も期待されているそうで、大腸をより自然な位置に動かし、お腹のガスを体外へ出してくれるのだとか。 方法: 1. 無理のないペースで15回しゃがむ ・ヨガのチャイルドポーズ エレン医学博士によると、ヨガのチャイルドポーズもお腹のガスを出す方法の一つ。 方法: 1. 正座になり、両足の親指を床につける 2. 両手を肩幅に開いて体の前に伸ばし、上半身も前に倒す 3. おでこも床につけ、30秒間続ける 4. もう一度繰り返す 「チャイルドポーズは、体のすべての筋肉につながる骨盤底をリラックスさせてくれます」 ・ヨガの鳩のポーズ 同じくヨガの鳩のポーズも、お腹に溜まったガスを出してくれる効果があるとのこと。 方法: 1. 床に座り右足を前方に曲げ、左足は真っ直ぐ後ろに伸ばす 2. 左足を頭に向かって曲げ、足先を左肘の内側に引っ掛ける 3. 足先を肘に引っ掛けたまま、頭の後ろで両手を組んで胸を開く 4. 30秒~1分間、そのままゆっくり呼吸する 5. 反対側も同様に繰り返す