「魔術師」元スーパーバンタム級統一王者バスケスさん死去、46歳 ラファエル・マルケスと激闘
プロボクシング元WBC、IBF世界スーパーバンタム級統一王者イスラエル・バスケスさん(メキシコ)が死去した。46歳だった。3日(日本時間4日)、WBCのマウリシオ・スライマン会長がSNSを通じて発表した。 同会長は「イスラエル・バスケスは安らかに眠りました。この困難な時期に、神が妻のローラさん、その子供達、家族、友人たつに力とサポートを与えてくださいますように」などと追悼の意を表した。バスケスさんは今年11月、ステージ4のがんで闘病していることが明らかになり、スライマン会長がバスケスさんへの治療費援助の募金を呼びかけていた。 95年3月にプロデビューしたバスケスさんは、04年3月にホセ・ルイス・バルブエナ(ベネズエラ)を12回TKO撃破し、IBF世界同級王座を獲得。2度防衛後、WBC世界同級王者オスカー・ラリオス(メキシコ)との再戦による統一戦で3回TKO勝ちし、統一王者となった。 07年3月、同じメキシコ人のラファエル・マルケスとの壮絶な打ち合いを展開して王座陥落。同カードは大きな注目を集め、07年8月の再戦では6回TKO勝ちでリベンジし、08年3月の3度目対決も判定勝利。07年、08年と2年連続で米老舗専門誌「ザ・リング」選定の年間最高試合に選出されていた。 10年5月にはマルケスとの4度目対決に臨むなど、ボクシング史の激闘マッチとして語り継がれている。破壊力のあるパンチ力、多彩なテクニックを持ち「魔術師」と呼ばれた。10年に現役を引退。激闘の影響で、右目の網膜剥離に苦しみ、16年には失明を公表していた。プロ戦績は44勝(32KO)5敗。