四度のGT500クラスチャンピオン、ロニー・クインタレッリが2024年をもってスーパーGTでの活動終了を発表
11月20日、日産モータースポーツ&カスタマイズ(ニスモ)はスーパーGT GT500クラスで4回のチャンピオンを獲得したロニー・クインタレッリが、2024年シーズン最終戦をもってスーパーGTでの活動を終えると発表した。 【クインタレッリがドライブしてきたMOTUL AUTECH Z】 イタリア出身のクインタレッリは、ヨーロッパのレーシングカート界で速さをみせ、四輪にステップアップ。日本でのチャンスを求め2002年に来日すると、INGINGから参戦した2003年に全日本F3のチャンピオンを獲得。2005年にはTOYOTA TEAM SARDからGT500クラス参戦を果たした。 2008年にはニッサンに移籍し、第7戦もてぎで横溝直輝とともにニッサンGT-Rを駆りGT500クラス初優勝。2011年にはMOLAに加入すると、柳田真孝とのコンビで初のチャンピオンを獲得。2012年にはシリーズ連覇を果たした。 2013年にはNISMOに移籍し、松田次生と組んだ2014年、そして2015年と新規定のニッサンGT-R NISMO GT500でふたたび連覇を達成。それまで誰も成し得ていなかったGT500クラスでの4回のチャンピオン獲得を達成した。 以降、2013年から11年に渡ってNISMOのエースのひとりとして活躍。タイヤに対する深い造詣、切れ味鋭いスピード、そして日本人の妻をもち、日本語をたくみに操るコミュニケーション能力の高さと人柄で、GT500のトップドライバーとして君臨してきた。 そんなクインタレッリが、2024年最終戦鈴鹿をもってスーパーGTでの活動を終えることになった。ニスモによればこの発表は、「ファンの皆さんに最後のレースを見ていただきたい」というクインタレッリ自身の希望による告知で、12月1日に行われるニスモフェスティバルでもファンとの交流の機会を設けるという。 「長い間、私の人生の中心であったスーパーGTの活動を終えるという判断は大変難しいものでしたが、後進に道を譲る、ふさわしいタイミングだと思っています。素晴らしい時もつらい時も、ずっと私を支えてくださったすべての方にお礼を申し上げます」とクインタレッリはコメントを寄せた。 「これまで私を応援してくださったファンの皆さん、サポートしてくれた多くのスポンサー、戦いの場を与えてくれたGTアソシエイション、ともに戦ったチームメイト、そしてニッサン/ニスモ、すべての皆さんに感謝しています。おかげで夢のような人生を送ることができました。ニスモフェスティバルで皆さんに直接お礼を伝えたいと思います。また、スーパーGT最終戦の鈴鹿では、最終ラップの最終コーナーまで、全力を尽くします」 また日産モータースポーツ&カスタマイズの片桐隆夫社長は「17年間にわたるロニー選手のニッサン/ニスモへの貢献に深く感謝いたします。長いお付き合いになりますが、ロニー選手のレースにかける情熱と入念な準備にはいつも驚嘆していました」とコメントした。 「12年間、23号車のドライバーを務めることは、並大抵の努力ではなかったと思います。四度のシリーズチャンピオン獲得という他の追随を許さない輝かしい戦績は、ニッサン/ニスモのモータースポーツの歴史だけでなく、日本のモータースポーツ史にもに刻まれています。最終戦の鈴鹿は、ロニー選手が4勝を挙げた、得意とするコースですので、我々も全力でサポートします」 長年スーパーGTの王者として戦い、その熱さが走りにも表れ、多くのファンを魅了してきたクインタレッリ。今季最終戦鈴鹿でのその走りは見逃せない。 [オートスポーツweb 2024年11月20日]