どうなる?!”二刀流スター”大谷翔平の契約延長問題…最低7年約239億円の大型長期契約か”禁断”のトレードか?
大谷は通常、語尾に“思っています”とつけることが多く、断定的な言い方は避ける。このときは“かな”がついているものの、言い切った。語尾を聞き逃したかと思い、改めて音声を確認したが、やはり“かな”で終わっていたのである。 もっとも真意について問われると、「まずは個人というか、自分がやれることというか、周りを左右することはとても難しいことですし、それはどちらかというと、自分というよりはフロントであったりとか、首脳陣であったりとか、そういうところの分野かなとは思うので、僕は僕で個人として、どういう風に貢献できるかっていうのを考えてやりたいと思ってます」と巧みに論点をずらし、“思ってます”と濁した。 もどかしさがにじんだが、「このままでは勝てない」という部分については、どう解釈しようが、誤解しようがない。マイク・トラウトらが来季、故障から復帰すれば解決する問題でもない。マドン監督は、「先発の3番手までを任せられる投手が2人必要」と話したが、特に先発ローテーションの整備は急務だ。 チームもここ数年、アスレチックスで3年、ダイヤモンドバックスで1年と、4年連続で二桁勝利を挙げたトレバー・ケイヒル、メッツ時代にエースとして活躍したマット・ハービー、また、2013年から19年まで7年連続で30試合以上に先発したフリオ・テヘランらと契約し、立て直しを試みてきた。ところが、ことごとく失敗。いずれもピークを過ぎており、エンゼルスもさすがに単年契約しか結ばなかったが、それぞれ1000万ドル(約11億円)前後をつぎ込んでは、すべて無駄にした。 では、なぜそんな中途半端な補強に終始したかだが、月に使えるお金が決まっているのに、月初に大きな買い物をしてしまい、月末になって切り詰めた生活を強いられる状況に似る。 例えば今年のチーム年俸総額は約1億8200万ドル(約207億円)。予算は2億ドル(約227億円)前後だったが、アルバート・プホルス(3000万ドル)、トラウト(3712万ドル)、アンソニー・レンドン(2807万ドル)、ジャスティン・アップトン(2470万ドル)の4人で予算の半分をオーバーしており、補強予算が限られた。年俸が一部に偏りすぎている問題は、毎年のように取り沙汰される。 もちろん、ドジャースやヤンキースのように資金が潤沢なら構わないが、実際は、そこまで資金豊富というわけではない。アート・モレノが2003年5月にオーナーとなってから、規定額を超えた分に対して課税される“ぜいたく税”を支払ったのは2004年だけ。以降、年俸総額はぜいたく税がかからない程度に抑えられてきた。