【101歳。ひとり暮らしの心得】母から「みっともない顔」と言われ卑屈になっていた自分。「どうせ私なんか」は努力しない逃げ場になっていたと気付いて
101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社)から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。 * * * * * * * <生きていることが楽しくなる秘訣> ◆「どうせ私なんか」をやめると人生はいい方向に回り始める 私は幼い頃から母に、「おまえのような鼻がペチャンコでみっともない顔の子は、お嫁のもらい手がない」と言われ続けてきました。 そのせいで私は、「どうせ私なんか」と卑屈になり、その裏返しで自分を甘やかすようになりました。どうせ誰も私の暮らしなんか気にとめないのだから、部屋が散らかっていてもいい。 おいしいものは好きでしたが、自分で作ろうという前向きな気持ちには、なれませんでした。 つまり努力を要することとなると、「どうせ私なんか」という怠惰なところへ逃げ込んでいたのです。 そんなとき、「顔はその所有者が一生かかって作りあげる高度な芸術品である」という言葉と出会ったのです。 自分の顔は自分で責任を持て。そう言われて初めて、私は不美人という生まれつきに甘えている無責任さを自覚しました。 そして、これからは自分なりの《顔》を作っていきたい。そのために前向きに生きようと、心に決めたのです。
吉沢久子
【関連記事】
- 【101歳。ひとり暮らしの心得】「望みは小さく」。目の前の小さな目標に真摯に取り組む、その連続が生きること
- 【100歳の100の知恵】絶対に譲れないもの以外は譲り、ここぞというときに自分を通す。それが、人と摩擦を起こさず、自分らしさを失わずに生きるコツ
- 【100歳の100の知恵】お金の貸し借りは仲たがいの元。親戚や親しい間柄でも避け、どうしてもなら返さなくて良い額だけ
- 101歳〈ギネス認定〉世界最高齢の薬剤師。問診票だけでなく、会話を通じてその人の症状に合う薬を選ぶ。元気の秘訣は野菜たっぷりの食事
- 『虎に翼』寅子モデル・嘉子の再婚相手は連れ子4人の裁判官「三淵乾太郎」。嘉子が4人の子と<親子の関係>を作るまでにはかなりの時間がかかり…