今こそニッポン式で海外へ!「ローソン」「積水ハウス」の開拓者に密着
次にやってきたのは、交通量の多い四つ角にある空き家。大きさは申し分ないが、ここにもインドネシアならではの壁が…。 「日本と違い、インドネシアでは登記情報が一般公開されていない。所有者を探すのに一苦労する」と佐藤さん。2人は度々足を運び、家主のことを聞いて回るが、なかなか思うように進まず、時間だけが過ぎていく。1000店舗のハードルはかなり高いようだ。
苦戦続きの佐藤さんの元に、極めて有望な物件情報が舞い込んできた。地場のコンビニの牙城を崩せず、2017年に全店を閉鎖した「セブン-イレブン」の跡地。交通量の多い道路に面した良い立地で、ローソンの強み、イートインスペースも十分確保できそうだ。 追い風が吹いてきたかのように思われたが…8月、スタッフとの食事会で、突如佐藤さんが男泣き。「さすがにきつい…」とこぼす佐藤さん。 果たして、元セブン-イレブンだった場所はどうなるのか――。 「だいぶ厳しい戦いだが、最後まで諦めずにやってきたい」 年内1000店舗達成の目標に向け、佐藤さんが始めた“ニッポン式”の取り組みとは?
戸建てナンバー1「積水ハウス」が挑む! アメリカ“西部開拓”そして“南部”へ
「積水ハウス」(大阪・北区)の木造住宅高級ブランド「シャーウッド」。太陽光パネルで電気を自給自足できる省エネ機能を備え、開放感たっぷりの大きな窓をつけても、高い耐震性が自慢の家だ。東日本大震災の際、シャーウッドは揺れによる全壊・半壊はゼロで、さらに840度の炎にも耐えられる壁も。 積水ハウスの戸建て住宅の平均価格は約4600万円(注文住宅)。中でもシャーウッドは年間約3000戸(22年度)売れている。しかし日本の住宅市場は、少子化や世帯数の減少で縮小していく一方。そこで積水ハウスも、海外に活路を見出そうとしていた。
積水ハウスの仲井嘉浩社長は、「『シャーウッド』というのは、ある意味で“工業化住宅”。このビジネスモデルは、今、日本にしかない。アメリカにおいても、必ず勝算はあると思っている」と話す。 積水ハウスは、すでにアメリカの住宅メーカーを4社買収。2025年までに、“海外での戸建て1万戸達成”を目標として掲げている。 その9割を占めるアメリカは、先進国の中でも人口が増え続け、住宅の需要が旺盛。日本の年間80万戸を大きく上回る、137万戸以上の新築住宅が建てられている。名実ともに“世界一の戸建て住宅市場”なのだ。