今こそニッポン式で海外へ!「ローソン」「積水ハウス」の開拓者に密着
アメリカの住宅建設の主流は「2×4(ツーバイフォー)工法」。厚さ2インチ、幅4インチの木材で枠組みを作り壁で支えると言う作り方。現場で木材を加工するため、出来は職人次第になることも… アメリカのプロジェクトを任されている積水ハウスの落合誠さんはそのアメリカ市場で約束した品質を提供する「シャーウッド」を広げたいと話す。
落合さんは大学院を卒業後、積水ハウスに入社。国際事業部の立ち上げや初の海外進出に関わってきた。海外戦略の最前線にいて、日本とアメリカを2カ月に1回のペースで往復しているが、落合さんには忘れられない苦い経験があった。シャーウッドを初めて海外で売るプロジェクト… 落合さんが設計も手がけたオーストラリアのシャーウッドは豪華な内装だったが、現地の声を取り入れず、入浴する習慣がないオーストラリアの家に浴槽を置いたことなどが不評を買い最初は一棟も売れなかったと言う。 「“シャーウッドを海外に出して売る”という社内的な目標を追い求めてしまった。いいものを造れば売れるというわけではない。当たり前だけど、その時に痛感した」。
7月。落合さんは、カリフォルニア州ロサンゼルスから車で1時間半ほどの場所にある閑静な住宅街を訪れた。ここは、買収したアメリカの住宅メーカーが開発中の現場。その一画にシャーウッドのモデルハウスを建てていた。 オーストラリアでの失敗から、今回はアメリカ人の意見を取り入れながら、一緒に造り上げてきた。しかしここでも問題が…。 柱などの構造に関わる重要な材料は、日本の工場から輸入するため、日本の寸法“センチ”を基準に造ることになる。すると、アメリカの基準“インチ”では正確に測りきれなくなってしまうのだ。そのことで、現地のスタッフは困惑していた。 「僕たちの基準はあくまでもインチ、2×4。アメリカ木材を使えばサイズで苦労しないし、効率的で工期も短くできると思う」とスタッフは提案したが、落合さんは「品質を確認していない部材なんて使えない。必ずテストして品質を確認したものしか使わない。お客さんに対する私たちの使命だから、そこは譲れない」ときっぱり答える。
10月、カリフォルニア州。ついにシャーウッドのモデルハウスが完成し、再び落合さんがやって来た。 「日本にもない。こんなの…」。 家の中に入るなり、思わずそうつぶやいた落合さんだが、そこで見たものとは…。 ※「ガイアの夜明け」より
テレ東プラス