「緊張を楽しめた」山内日菜子が“でかすぎる”一勝 年間レース73位からの大逆転劇で得たものと回避したもの
地元開催の最終戦への切符を獲得しQTも回避した
◆国内女子プロゴルフ 第35戦 伊藤園レディス 11月8~10日 グレートアイランド倶楽部(千葉県) 6769ヤード・パー72 【動画】え!? 小祝さくらが竹田麗央を海に突き落とし… “仲よしコンビ”が沖縄の海で見せた衝撃映像に反響続々 これが実際の投稿です
山内日菜子が大混戦を制してツアー通算2勝目を飾り、残り2試合でメルセデスランキング73位と切羽詰まった状況から大逆転劇を演じた。同ランクも51位へと上昇した。
最終日は3人並ぶ首位と1打差の4位タイからスタート。最終組の1組前でプレーして、4番バーディー。7番では、グリーン右のカラーから58度で10ヤードを直接カップインさせ、初優勝した昨年の「アクサレディス in 宮崎」最終日が頭に浮かんだという。 連続ボギーからのスタートの後、6番でチップインバーディー。地元宮崎の大応援団を味方につけてプレーを続け、14番で2つ目のチップインバーディー。これが効いて、QTランキング181位と出場機会が少ない中、地元で主催者推薦をもらった試合で大金星を挙げたのだ。 それを思い出し「いい流れがきたと思いました」という予感は的中した。2つ目のチップインは、大混戦となった大詰めの17番パー3で見せた。最終組の安田祐香と通算13アンダーで並んでいる状況で、グリーン右上から「20ヤードくらい」を54度のウエッジでラインに乗せてカップに放り込む。万歳する山内、ティーイングエリアで驚く後続の安田という対照的なシーンで、流れを一気に引き寄せた。 大詰めでグリーンを外したことも、前向きにとらえていた。初日にはティーショットを右のカート道に打ってダブルボギーを叩いていた。「17番に行くと心拍数が上がりまくっていたので、今日は上出来です。(2打目は)寄ればいいな、という感じ。ラインがほぼまっすぐに近かったので思ったところに落とせれば」というこの1打は大きかった。 大歓声の中、18番も落ち着いてパーでホールアウトすると、安田がボギーを叩いて優勝が決まった。 スコアの提出後、一緒に練習する間柄の先輩、藤田さいきから泣きながら祝福され、「最初はもらい泣きでした。でも、QT(来季の出場権をかけたクォリファイングトーナメント)に行かなくていいとか色々な意味での涙です」と歓喜の涙を流した。昨年の優勝で手にしたシード権が危ぶまれる位置にいただけに「(来週が終わったら)宮崎に帰ってQTに向けて練習しなくちゃ、だったのが(出場選手の限られる最終戦JLPGAチャンピオンシップ)リコー(カップ=宮崎CC)が入ってくるなんて。優勝でみなさんも喜んで下さるし、宮崎に帰る意味が変わりました」と満面の笑み。「きょうは緊張を楽しめました」と、2勝目らしく、優勝争いをしっかりと味わって勝利となった。
小川淳子(ゴルフジャーナリスト)