AFCテクニカルグループがアジア杯の“大混乱”ベンチマナーとインプレー時間を懸念「これでいいのだろうか?」
アジアサッカー連盟(AFC)は12日、1月から2月にかけて行われたアジアカップのテクニカルレポートを公開した。その中で大会中に目立ったベンチマナーの悪さやアクチュアルプレーイングタイム(APT)の短さに触れ、改善の余地があることを示している。 【写真】「Kawaii-desu」「お似合い!」大人っぽくイメチェンした浜野まいか AFCのテクニカル・スタディ・グループ(TSG)は控え選手の振る舞いについて、「一言で言えば“大混乱”」と紹介。控え選手がウォーミングアップをする様子もなくベンチから飛び出し、「視聴者が威圧的や威嚇と容易に想像するかもしれない」行動を示す場面が多かったことを指摘した。中継映像では控え選手の姿でタッチライン際が見えなくなることもあったという。 コーチ陣の場合はベンチから飛び出して指示を伝えられるのは1人までというルールがあるため、こういった行為を抑制することができる。ただ、アジア杯では着席するように求められた控え選手が数秒後に再びタッチラインギリギリまで飛び出すなど、控え選手の振る舞いに問題があった。スローインの邪魔になるシーンもあり、TSGは「このような場合は注意だけで十分なのか?イエローカードを出すべきなのか?出すならば誰を対象にすべきなのか?」と論点を挙げ、課題を示している。 また、TSGは「AFC大会における永遠の議論対象」としてAPT(インプレーの時間)の短さを紹介した。アディショナルタイムはカタールワールドカップごろから世界的に厳格な計算がされるようになり、10分を超える追加も珍しくないものとなった。アジア杯でも長いアディショナルタイムが設けられる試合が多かったが、TSGによると「この問題は解決していない」という。 TSGは顕著な例として決勝のカタール対ヨルダンを挙げている。この試合は前半に6分、後半に13分のアディショナルタイムが表示されたほか、アディショナルタイム中の停止による延長もあり、試合時間は約114分に達した。ところがAPTは42分12秒にとどまり、70分以上もボールが動かない時間があったことが判明。「試合時間は全体的に延長されたかもしれないが、APT(の長さに)に反映されるとは限らない」と伝えている。 また、他の試合では3人同時に足が攣って倒れ込み、試合が止まることもあったようだ。今大会で最もAPTが長かったのは日本対ベトナムの69分10秒で、全51試合のうち60分を超えた試合は8試合のみ。大会平均は54分40秒となり、TSGはフィジカル面の課題も挙げながら「テンポや強度が高まり、APTがより長くなることが予想される世界の舞台で戦うことを考えると、これでいいのだろうか?」と危機感を示している。