【デルマー便り】海外メディアに大人気のルメール騎手「ジャパンCはどの馬に乗る?」の質問も
人気は海を越えます-。現地時間29日の朝、ルメール騎手がデルマー競馬場に姿を現しました。 【写真】ダートでいっぱいに追われるデルマソトガケ この日はBCジュベナイルターフスプリントに出走するエコロジークの最終追い切りに騎乗しました。主催者想定の1番人気となっている同馬の取材も受けていましたが、最も時間が割かれたのが昨年のBCクラシック2着馬デルマソトガケの話題。各メディアが入れ替わりで同騎手に今年の展望を聞いていました。 今年3戦はサウジC5着、ドバイワールドC6着、日テレ盃5着とあと1歩の競馬が続きます。手綱を譲るレースもありましたが、同馬の底力からすると結果に不満を持っているのは明らかでした。ルメール騎手は「今年は残念。いいパフォーマンスができていない」と話します。 辛口コメントは期待の高さからくるものです。今回、デルマソトガケはブリンカーを着用。いわゆる“追わせる”タイプの馬ゆえに、集中力向上を図って世界の頂点に挑みます。昨年は3番手から勝ち馬ホワイトアバリオに1馬身差にまで迫りました。もともと反応の鈍さがあるタイプ。当時も3角あたりで置かれがちになる場面もありました。それらを踏まえ、ルメール騎手は「今年も早めに動いていくイメージ」と先行策を明かしてくれました。 これまでに中央で3場、地方で2場、海外で4場と計9場で競馬を経験。2歳時に川崎で全日本2歳優駿(当時は松若騎手)で勝っていますが、ルメール騎手によると適性は海外の、それも馬場の質が土に近い米国競馬が最適だといいます。「去年のケンタッキーダービー(23年6着)も、BCクラシックもすごくいい競馬をした。米国は好きだからね。今年は相手もコースも違うけど、4歳になってタフになった」。力を出し切れば、勝負になると見立てていました。 ルメール騎手といえば、秋華賞チェルヴィニア、菊花賞アーバンシックでの優勝など、この秋も活躍が顕著です。お手馬からピックアップした馬が結果を出しているので、海外メディアも気に懸けるのが将来のビッグレースでの騎乗馬。「ジャパンCはどの馬に乗る?」。ストレートな質問に「多分、チェルヴィニア」と即答していました。前走は2000メートルだったけど、オークス勝ちの経験から春以来の東京2400メートルも大丈夫とのこと。加えて、古馬勢との重量差が大変有利だと説明していました。 日本語、英語、そして時には母国のフランス語を交えての取材対応を見ていると、自分も背筋が伸びる思いがします。もはや手遅れな気もしますが、英語くらいはちゃんと話したい。テレビ取材を立て続けに受けるルメール騎手の横で、もう1度勉強しようと思った次第です。【松田直樹】