日本独自の成長を遂げた“紅茶市場” 40周年『リプトン』がもたらした「気軽に屋外で紅茶を飲む」という革命
■苦悩したからこそ見えた愛飲者との絆「これこそがリプトンブランドの資産」
『ロイヤルミルクティー』を終売し、2023年に『リプトン ミルクティー』を“旧”発売した。すると「元の味に戻ってうれしい」と喜ぶユーザーが続出。その反響は258件(※取材時点)に上り、「これも異例のこと」と同社スタッフ。この258件の”声”はトータルで65000字にも及んだ。 「学生時代の思い出を書いてくださる方もいらっしゃって、読むだけでこみ上げてくるものがありました。それほど気持ちの込められたお声をくださる商品というのは、なかなかないと思います。こんなにも多くの方に支えられているんだ、こんなにもファンとの絆が深い商品なんだと改めて痛感しました」 こうしたファンとの絆、つながりが「リプトンブランドの資産」だと胸を張る濱口さん。この”資産”を大切にして、今後も商品展開を進めていきたいと抱負を述べる。 「今回のリニューアルと旧発売でお騒がせしましたが、これを一つの学び、糧として今後もお客様に愛していただけるよう努めます。引き続き、皆様と一緒に歩んでいける関係を続けていきたいと思います」 現在、チルド紅茶の発売40周年を記念して『リプトン エモミルクティー~ミルクセーキ味』も期間限定で発表。パッケージの表裏には男女のレトロなイラストが描かれ、「あの子が好きだった思い出の味」というコピーは、淡い恋の想い出やノスタルジックな雰囲気を想起させる。リプトンを「青春の味」と位置付ける世代にとっては、“あの頃”に思いを馳せる極上のツールとなるだろう。 取材・文/水野幸則 撮影/岡田一也