トランプ氏「悪い遺伝子が持ち込まれている」暴言止まらず。日本で報道されない大統領選【直前解説】
11月5日の米国大統領選までわずかとなった。 アメリカでは大きなニュースになっていても、日本では一部のメディアでごく軽くしか扱っていないことも多い。この記事では2回に分けて、日本メディアではあまり報道されていないと感じる、いくつかの出来事とその意味について、解説を試みたい。 【全画像をみる】トランプ氏「悪い遺伝子が持ち込まれている」暴言止まらず。日本で報道されない大統領選【直前解説】 先日の記事前編では、米有力紙の報道や、副大統領候補の発言、「トランプ氏はファシスト」という発言について解説したが、今回の後編では、ニューヨークでのトランプ集会の熱狂や、10月26日に開かれたカラマ・ハリスの集会に出席したミシェル・オバマのスピーチなどを取り上げる。 前編:米メディアが糾弾した「トランプの本質」。日本で報じられない大統領選【直前解説】
「ヘイト」で結束するニューヨーク集会
10月27日、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン(MSG)で行われたトランプ集会には全米から約2万人のトランプ支持者たちが集まった。 ニューヨークは常にリベラルが勝つ州なので、トランプが集会をやったところで選挙で勝てる見込みはない。 最後の追い込み時期の今、本来ならば激戦州に張り付いてキャンペーンに力を入れた方がいいのではと思うところだが(実際、ハリスは激戦州ペンシルバニアで一日を過ごした)、トランプにとってMSGで集会を開くことは夢だったらしい。 この集会の開催が発表されるや、アメリカでは、「1939年に同じ場所で行われたナチス支持者たちの集会の再来になる」と言われていた。 が、事態はさらに悪かった。いざ始まってみると、SNS上では「このトランプ集会に比べたら、1939年のナチス支持の集会がかわいく見える」というコメントが飛び交うほど、最初から最後まで、一切躊躇のない人種差別、排他主義全開、ヘイト丸出しの、怒りのエネルギーに満ちたイベントであった。どうひいき目に見ても、普通の選挙集会ではなかった。 ちなみにトランプは、この集会について後日あちこちで「あれほど愛にあふれた集まりは見たことがない。歴史に例のない素晴らしい政治集会だった」と言っている(彼は最近、1月6日の議事堂襲撃の日のことも「Day of Love」と言っているので、そこは一貫している)。