皮革と油脂のまち「きねがわスタンプラリー」
以前も「きねがわスタンプラリー」に参加したという方のほか、地域のイベントでもキーホルダーづくりを体験したという声もあり、きねがわの皮革産業を知ってもらう取り組みが、徐々に浸透している様子が感じられました。 ■「産業・教育資料室きねがわ」 墨田区社会福祉会館の中にある「産業・教育資料室きねがわ」には、馬一頭分の大きな皮や、毛が生えたままの豚皮、さらにかつてこの地域にあった木下川小学校の生徒が豚の皮で作った太鼓も展示されていました。 ■豚の皮でつくる太鼓 長い間、この地域で教員を務めてきた資料室の室長・岩田明夫さんは、こうした取り組みは1990年代から始まり、今でも小学生が自分で太鼓を作り、運動会などで実際に使うことで子どもたちがもつ、町に対するイメージが変化してきたと、振り返りました。 「産業・教育資料室きねがわ」室長・岩田明夫さん 「今までどっちかっていうと見せないようにとか、知らせないようにした文化があったんだけど、逆にうちはこういうところを作ってる町なんだっていうのが、誇らしげに子どもが言うようになって。みんな今まで隠して見せないように『いろんな匂いがして臭い』とか言われたんだけど、いや、逆に『知ってもらおう!これ職人の技なんだよ』って。この町はいろんな匂いするけど、そういうときに出た匂いなんだっていう。子どもたちは、前向きに捉えるんです。」 以前は、皮をなめす過程で使う薬品の独特な匂いからネガティブなイメージが先行していましたが、今や、区内の学校教育でも「きねがわ」の皮革産業のことが扱われるようになったと、岩田さんはとてもうれしそうでした。 ■高校生に語り継がれるきねがわの歩み さらに、この日は高校生2人が岩田さんのもとでお手伝いをしていました。2人はきねがわの住民ではないということですが、どういう繋がりなのか?手伝いに来ていた高校二年生に聞きました。 高校二年生スタッフ 「普段は僕の方からもお願いした形ではあるんですけど、お邪魔して資料室の方で木下川に関する 資料の読書会みたいなものをさせていただいてはいますね。このあたりの歴史を書いてある資料がこのあたりの方が作った資料があるので、それをちょっと読んで、書いてあること、わからない 単語とか、あとこの現象が何でこういうことになってるんだろうね、みたいな話をちょっとご質問しながら読む会っていうのやっています。」