「適応障害」になりやすい人の特徴はご存じですか? 症状や対処法も医師が解説!
適応障害の治療法
編集部: 適応障害はどのように治していくのでしょうか? 藤田先生: まずは、ストレスを取り除くことが重要です。仕事の内容や量がストレスとなっているなら、上司などに相談して調整してもらったり、人間関係がストレスになっているなら部署やチームの配置換えをしてもらったりと、ストレス環境を改善することを考えてみましょう。 編集部: そのほかには? 藤田先生: 適度に休養をとったり、ストレスの解消法を見つけたりして、ストレスを溜め込まないようにしましょう。また、メンタルクリニックや心療内科などを受診し、カウンセリングを受けるのもおすすめです。 編集部: ストレスの扱い方が重要なのですね。 藤田先生: そもそもストレスは悪いものではありません。人間の成長を促すためには、適度なストレスが必要です。そのため、ストレスをなくすのではなく、感じとって上手に付き合っていくことが大切です。メンタルクリニックや心療内科では、ストレスコントロールのサポートをしています。 編集部: 医療機関では、どのような治療がおこなわれるのですか? 藤田先生: カウンセリングを受けることで改めて自分のストレスに気づき、現状を正しく知ることができます。また、物事の受け取り方(認知)の偏りを修正し、ストレスで硬く凝り固まった考え方を解きほぐす「認知行動療法」によって、ストレスの軽減を目指していきます。 編集部: 薬を使用することもあるのでしょうか? 藤田先生: 必要があれば薬物療法をおこない、抑うつ症状や不安感、睡眠障害などを改善します。 編集部: 治療で症状が改善しても、適応障害は再発するのでしょうか? 藤田先生: 適応障害はストレスが誘因となるため、ストレスの多い環境にいると再発するリスクが高くなります。そのため、一度症状が治っても医師の指示に従って治療を継続すること、また休職した場合は復職を焦らないことなども大切です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 藤田先生: 適応障害にかかった人の多くは「自分はダメなんだ」と否定的になり、落ち込んでしまいます。しかし、適応障害は誰でも発症する可能性がある病気で、決して珍しいものでもありません。適応障害と診断されても悲観することなく、上司や同僚、家族、医療従事者などの手助けを借りながら、前向きに治療に取り組んでほしいと思います。