「適応障害」になりやすい人の特徴はご存じですか? 症状や対処法も医師が解説!
適応障害の症状
編集部: 適応障害になると、どのような症状がみられるのですか? 藤田先生: 例えば、憂鬱な気分が続いたり、不安を感じたりするほか、頭痛や不眠などの様々な症状が出現します。これらは一般的な人にも多くみられる症状ですが、適応障害の場合には日常生活に支障をきたすレベルで強い症状が出ることもあります。 編集部: そのほかには、どのような症状がありますか? 藤田先生: 全身倦怠感、動悸、めまい、手足のしびれ、肩こり、腰痛、食欲不振などの身体症状や、集中力の低下、注意力散漫、イライラ感などの精神症状がみられることがあります。場合によっては、会社や学校に行けなくなることもあるでしょう。 編集部: 適応障害は、うつ病とは違うのですか? 藤田先生: 適応障害と似た症状が表れる疾患に、うつ病があります。しかし、両者には明確な違いがあり、うつ病の場合にはストレスの原因から離れても抑うつなどの症状が続きます。その一方、適応障害はストレスの原因から距離を置けば症状が改善します。 編集部: そのほかにも、適応障害と見極めるための基準はありますか? 藤田先生: 適応障害と診断するには、「ストレスの原因となることが起きてから1カ月以内に症状が出現する」ということを満たす必要があります。また、症状が6カ月以上続いた場合は適応障害ではなく、うつ病などの別の疾患が疑われます。 編集部: 適応障害を放置すると、どうなるのですか? 藤田先生: 放置すると、うつ病へ進行するケースもあります。適応障害は「うつ病の一歩手前」とも呼ばれており、この段階で適切な治療をおこなうことが大切です。 編集部: 早めに治療を開始することが大事なのですね。 藤田先生: はい。1年で適応障害が増えるのは、6月です。新年度のはじまりである4月や5月に頑張りすぎて、調子を崩してしまう人が多いのです。そのため、この時期は自分の気分の浮き沈みや抑うつ状態に気をつけるとともに、周囲の人の様子にも気を配ってあげるといいでしょう。