小3の息子が…派遣だった妻が「エリート夫」からモラハラを受け続けて起きたこと
「処女だったの?」
夫は、行為の後、シーツに血が滲んでいることに気づき「処女だったの!?」と驚いたそうです。 「主人はショックを受けていたみたいですが、その後も、誘われるままに何度かホテルに行き、そのうちに妊娠が判明。主人に伝えると“40歳だろう!? なんで妊娠すんの?”と言われちゃったんです。年齢を重ねた女性は妊娠しないと思っていたみたいです。ただ、自分の子供ができることは嬉しいらしく、すぐに結婚になりました」 夫は避妊をしなかった。このことからも結美さんを大切にしていないことがわかります。世間体を重んじる夫の両親は、授かり婚を避けたいので、すぐに入籍をさせます。これを期に結美さんは退職し専業主婦になります。 「私は不器用なので、育児と仕事の両立ができないと思ったのです。息子が生まれてからは子供が可愛くて、主人のお世話があまりできなくなりました。夜の生活も断るようになったら、“俺の求めに答えるのも、お前の仕事だ”と怒られる。そんなことが重なるうちに、夫婦仲は冷めて行ったのです」
「こんなはずじゃなかった。お前は疫病神だ」
息子はすくすくと育ち、小学校に入学。夫は息子を愛しており、期待もしていましたが、息子は勉強もスポーツもそんなに得意ではありません。神童と呼ばれ、文武両道だった夫はそれが許せないというのです。 「主人から、“こんなはずじゃなかった。お前は疫病神だ”と言われます。そのたびに“あなたが強引に誘ったんだよ”と心の中で思っていましたが、私が応じて申し訳なかったと思うように。それでもしばらくは家族としての体裁を保っていたのですが、ここ3ヵ月ほど私だけではなく息子へのモラハラが加速。やがて息子のことも無視するようになったんです。堂々と外泊もしてきて、生活費もくれなくなりました」 かつて、夫は息子をそれなりに可愛がっていたそう。しかし、成績の伸びがみられないと、手のひらを返したような態度をとり、やがて息子が話しかけてもあからさまに無視するようになったそう。息子は混乱し、学校に行けなくなって30日になるとのことでした。 「今、3年生なのですが、もともと疲れやすく、学校行事や試合を伴う体育の授業など、緊張した翌日は、疲れてしまい起きられず、学校に行けないことがありました。医師の診察も受けましたが、問題ないと診断されました。でも、ここまで行きたがらないことはなかったのです」 結美さんが励まして行かせようとしても、家から出たがらない。夫はそんな息子に「人間のクズ」「甘ったれるな」などと怒鳴っているそうです。それまで時々、外泊をすることもありましたが、「軟弱な息子を見たくない」と、家にいる時間も激減。堂々と外泊を繰り返すようになります。 「そして、2週間前に、私に対して、“バカと陰気は一生治らない。10年間、面倒見てやったんだから、俺を自由にしてほしい。離婚しよう”と言ってきたのです。実家の両親に相談すると、他に女がいるのではないかと言われました。養育費や慰謝料のことも考えて、浮気の証拠を押さえた方がいいと」 結美さんは、23区郊外に実家があります。現在80代の両親は、結美さんと息子が離婚して戻ってくることを喜んでいるとのこと。 「持ち家ですし、親にもそれなりの資産はあります。兄も“結美が親の面倒を見てくれるなら、仕送りする”と言っているし、私も働くのでいいかな、とも思っていますが、やはり将来が心配。慰謝料もほしいし、養育費も押さえたい。今後の条件をより良いものにするためにも取れる証拠は撮っておきたいのです」 ◇不登校にはさまざまな要因があるが、学校以前に子供が安心して自分そのままを受け止めてもらうことが大切だ。期待通りの成績を残せないことで親ががっかりしているのを見て、心が傷つかない子がいるだろうか。結美さんの夫は自身が優秀で、しかもきっと努力もしたのだと思うが、努力だけでできないこともある。成績がよくないと愛せないというのは、その子自身の自己肯定感を奪うようなものだ。 ではそんな夫は本当に浮気をしているのだろうか。調査の結果は後編「「バカにびた一文払いたくない」息子を不登校にしたエリート夫”本気の浮気”の悲劇」にてお伝えする。
山村 佳子(探偵事務所代表)