共通テスト教科「情報」導入は時期尚早、大学教授ら反対署名提出
大学教授らで構成される「入試改革を考える会」は2024年11月18日、2025年度から大学入学共通テスト(以下、共通テスト)に導入する新教科「情報」について、導入延期などを求める反対署名を提出した。高校の授業の質や地域による格差が大きく公平とはいえないとしている。
文部科学省の2023年度調査によると、公立高等学校情報科担当教員4,411人のうち、192人が高等学校教諭臨時免許状(情報)の授与を受けた者または情報の免許外教科担任の許可を受けた者であることが明らかになっている。2022年度と比較すると大幅に改善しているものの、一部の自治体では当初の改善計画に遅れが見られていたという。
「入試改革を考える会」は、共通テストの新教科「情報」の拙速な導入に反対とする声明を2022年1月に発表して以来、これまで導入に反対してきた。おもな理由は受験生の受験負担が増加すること、高校で情報科を教える専任教員が不足し教育体制に不備があることなどとし、公平・公正な入試を受けられなくなる可能性が極めて高いと指摘している。
第1次反対署名では387名から署名を集め、2022年6月に文部科学省へ提出。今回、継続募集してきた第2次署名が集まり、あらためて11月18日付で文部科学省へ提出した。提出後、同会の代表を務める武蔵大学の大内裕和教授らが記者会見に出席。集まった記者に対し、「情報」導入の問題点を伝えることができたことをXで報告している。
リセマム 川端珠紀