「日本人から下に見られても」ミャンマー人経営者がそれでも日本で働く理由と誇り
「コロナには感謝しています。今でも、外国人だからという理由で、銀行から融資を受ける難しさや、物件を借りる際だけでなく、日常生活でも見下されることが多いと感じます。それでも日本でもっと仕事をしたい、そして会社を大きくしたい」(ボボさん) ■日本への帰化を考慮中 こうした思いから、ボボさんは日本への帰化を真剣に考えています。 「自分の居場所はミャンマーではなく、日本だと思っています。日本の人々のために、ミャンマーの味や伝統が日本で交差する素晴らしい機会を、ミャンマー人としてどんどん作りたい」とボボさんは打ち明けます。
さらに、日本人に帰化したとしても、ミャンマー人としての誇りを忘れず、母国が大変な状況だからこそ、日本でミャンマー人をサポートしていきたいと考えています。たとえ日本語を話せないミャンマーの若者であっても、母国に残る親たちが安心して働けるような店や職場を、一つでも多く作りたいという思いを胸に、行動していきたいと語ります。 最近、日本テレビの「王様のブランチ」に出演したことをきっかけに、番組を見た日本人のお客さまが増えています。食に関するメディアでも紹介され、多くの注目を集めています。
2024年7月には、ミャンマー風の焼き鳥バーベキュー店「ズ アンド ヘイン バーベキュー ハウス」を池袋に新たにオープンさせました。 現在はまだ試行錯誤の段階ですが、既存の焼き鳥店とは一味違う、ミャンマー風の少しスパイシーな味付けが特徴です。この新店舗は、わずか1カ月という短い発案期間で実現した、挑戦的なプロジェクトでもあります。 テテさんによれば、「ボボさんはいつも考えていて、思いついたらすぐ行動に移すタイプ」であり、彼女自身は「じっくり考えて実行に移すタイプ」だそうです。ボボさんは、「テテさんがいて初めて事業がうまくいく。テテさんには感謝しかありません」と語ります。
夫婦それぞれの性格や役割分担が絶妙なバランスを生み出し、それが事業を円滑に進める原動力となっているようです。 「日本でやりたいことは無限大だ!」と語る2人。やりたいことを次々と形にしていく2人は、今日もノンストップで走り続けています。
西垣 充 :ジェイサット(J-SAT)代表