「日本人から下に見られても」ミャンマー人経営者がそれでも日本で働く理由と誇り
また、時にはアメリカやオーストラリアに住むミャンマー人からの依頼を受けることもあるそうです。こうした依頼に対し1件1件、真摯に対応する姿勢が高く評価されており、それが人気の理由となっています。 2018年、東京都内で焼肉屋を経営している友人から、「店の権利を買ってくれないか」と相談を持ち掛けられました。「食材店」と「旅行業」が順調だったことに加え、以前焼肉店で働いた経験もあったため、お店を買い取ることを決意。「焼肉 KIZUNA」として新たにスタートさせました。
いずれの事業も順調に進んでいましたが、2020年4月、日本はコロナ禍に突入しました。海外渡航が規制され、旅行業は完全に停止。さらに、飲食業も厳しい自粛規制により、瞬く間に収入が途絶えてしまいました。 ■コロナ禍で収入が途絶える 所有する車を売却するなどして何とか日々の生活をしのぐ中、「何とか収入を作らねば」との思いから、焼肉屋の2号店を開業すべく、居抜き物件を探し始めます。 2017年に事務所を探した際、ミャンマー人に物件を貸してくれる大家は非常に少なく、物件探しには相当苦労したそうです。不動産業者が「この人なら問題ない」と太鼓判を押しても、大家がなかなか許可を出してくれないケースが多くありました。
とくに賃貸契約の際には、「外国人は手続きが面倒」「トラブルが多い」といった先入観から、物件を貸してもらえないことがしばしばあったといいます。不動産業者が承諾しても、最終的に大家から拒否されることが何度もあり、この壁を乗り越えるためには相当な努力を要したそうです。 そのような中、東京・池袋サンシャインの目抜き通りの物件を貸してもいいという話が舞い込みました。東京の都心のど真ん中、JR池袋駅中央東口から徒歩3分、池袋サンシャインに向かう途中という絶好の立地にある優良物件です。
通常であれば、外国人にはなかなか貸してもらえないような物件でしたが、コロナ禍で借り手がつかないという状況が重なり、そんな機会が偶然めぐってきました。 ボボさんはこれを「チャンス」と捉えました。当初は焼肉店の2号店を開業しようと考えていましたが、焼肉店は初期コストが高い。そこで、学生時代にアルバイトをしていた六本木の人気店「肉汁水餃子 餃包」を思い出しました。 この店は、トリップアドバイザー東京1位に輝いたこともある、日本の居酒屋文化と台湾中華が融合した水餃子専門店です。ボボさんは、その店の社長にのれん分けを相談しました。