山手線で2番目に新しい西日暮里駅は「鉄道のワンダーランド」
ひっそりたたずむ踏切
日暮里・舎人ライナー越しには、京成線のガードも望める。京成電鉄の詳細については後日の稿に譲るが、かつてガードのやや日暮里寄りに「道灌山通り」という駅があった。戦災を受け、日暮里駅との距離が短かったこともあり、1947(昭和22)年2月末で廃止されている。 上りの京成線は、日暮里・舎人(とねり)ライナーの下をくぐって尾久橋通りを乗り越し、日暮里駅へと向かう。その先で、今度はJR常磐線が急カーブを描きながら京成線の下を通るというややこしさ。西日暮里駅周辺は、まさに下町の交通の要衝だ。 あとひとつ、訪ねるべき“鉄道スポット”が日暮里・舎人ライナー西日暮里駅の先にある。尾久橋通りからそれた町工場が点在するあたりに、踏切がひっそりとたたずむ。平面交差しているのは常磐線の貨物線である。田端と三河島駅方面とをつなぐレールは、明治期の常磐旅客線の後裔だ。貨物列車はたまにしか通らないけれど、東日本の物流の一翼を担う。
辻 聡