三者三様の強さを見せる「コム デ ギャルソン」系列3ブランド、アクティブなスタイルにも上質感漂う「エルメス」 2025年春夏パリコレ日記Vol.5
「ノワール ケイ ニノミヤ」は奇想天外な素材使いでバラを表現
藪野:そして、お次は「ノワール ケイ ニノミヤ(NOIR KEI NINOMIYA)」です。早めに移動して、近くのカフェに移動したら、開場待ちの関係者だらけでしたね。カフェのお姉さんは、急に忙しくなってテンパってました(笑)。
村上:「ノワール ケイ ニノミヤ」は、「ダークローズ」がキーワード。バラのトゲ、花弁、そしてミステリアスなレッドを多用した、今シーズンも圧巻のドレスでした。こちらは「ジュンヤ ワタナベ」以上に、普通は洋服に用いらない生地、生地どころか素材・マテリアルが目白押しです。歯がキバ、それこそトゲのようになったファスナーのような素材を絡み合わせたり、アルミホイルのようなメタリックシートを花のように束ねたものを樹脂のディップに浸すことを繰り返したり、糸と針をほとんど使わないドレスは、いつも通り、細部を見れば作り方が、俯瞰で見ればその連続体が面白く圧巻です。リアルクローズは、真っ赤なシフォンを花弁のように重ねて、ハーネスと組み合わせたり、チュチュのようなスカートに仕上げたり。前者は、シンプルな白Tとかとコーディネートすれば、途端に「ノワール ケイ ニノミヤ」、もっと言えばギャルソンの世界の仲間入りできそうです。
藪野:ホームセンターで売っているような工業資材など奇想天外な素材で神秘的な服を作り上げるクリエイションには、毎回驚かされます。展示会に行って、「こうなってるのか~!」と近くで見るのが楽しくなるブランドです。今回のヘッドピースは、芸術的なヤカンを制作している金工家の中村友美さんが手掛けているのですが、ご本人もヘッドピースの依頼が来るとは思っていなかったでしょうね。
そして、足元は2024-25年秋冬に続き、「リーボック(REEBOK)」とコラボした“ポンプフューリー“でしたね!前回の花モチーフを飾ったデザインも可愛かったですが、今回はパールを飾った厚底モデルと小さな丸スタッズを打ったウィングチップシューズを融合したようなデザインの2タイプが登場。黒と赤の2色展開で、サイズ展開もメンズでも履けるものまで豊富なので狙ってます。