意外と知らない「クレカ決済NGの通販サイト」がどんどん増加している理由
■国会議員が米国Visa本社に直接交渉に乗り出す動きも こうした規制を問題視し、国内の国会議員の間でも動きが見られます。たとえば自民党の山田太郎参議院議員は2024年8月にVISAの米国本社を訪問し、責任者と会談。山田議員はXでVisa側からは「合法であるコンテンツ等に対する価値判断は行っていない」という説明を受けたと明かしています。 つまりVisaは「アダルトコンテンツ配信会社に対する支払い」であっても、そのコンテンツが違法でない限りは支払い利用可否の判断はしていないとのこと。表現規制そのものは、あくまで現場判断であると見られます。 ここで問題となるのが、クレジットカードの表現規制を行っている主体は「厳密にはどの会社なのか」ということです。「クレジットカード会社」と一口にまとめても、その決済の仕組みの裏にはクレジットカードブランドに加え、決済代行会社など様々な会社が絡んでいます。
表現規制を主導している「主体」はクレジットカードブランドなのか、その決済代行会社なのか。もしくはその両方なのか。また表現規制のOK・NGのセーフラインはどこなのか。たとえばやや性的な表現を含む「ASMR」はOKなのか、NGなのか。 こうした点が明確になるにはまだ時間がかかると見られ、特に消費者側にとっては規制を主導するクレジットカードブランドを使い続けるよりは「代替の決済手段やブランドを探す」法が手っ取り早いでしょう。
VisaやMastercardの代替として注目される「JCB」
このような状況下で、注目を集めているのは日本のクレジットカード会社であるJCB。国際クレジットカードブランドから規制を受けたサイトでも、基本的にJCBは利用可能となっているケースが目立ちます。そのため、VisaやMastercardの代替として改めて「クレジットカードブランド」として注目度が高まっています。 このほか、一部の成人向けコンテンツを扱うプラットフォームでは「外部の決済サービスにおいて、自社サービスの有料ポイントを購入してもらい、その有料ポイントでコンテンツやサービスを購入してもらう」という抜け穴を用いて、間接的にVisaやMastercardの決済を実現しているケースも見られます。 一方、VisaとMastercardというシェアが大きなクレジットカードブランド2社が過度な表現規制を続けた場合、こうした抜け穴があってもなお規制対象となるサイトやその分野のクリエイターやサービス事業者へのダメージは大きいでしょう。規制の線引きの明確化などが求められます。
オトナライフ