9回TKO負けした村田諒太は”最強”ゴロフキンを追い詰めた(写真・山口裕朗）

プロボクシングの世界ミドル級2団体王座統一戦が9日、さいたまスーパーアリーナで行われ、WBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太（36、帝拳）がIBF同級王者のゲンナジー・ゴロフキン（40、ウズベキスタン）に9ラウンド2分11秒TKO負けを喫した。村田は2ラウンド、3ラウンドと左右の強烈なボディ攻撃でゴロフキンをあと一歩まで追い詰めた。だが、4ラウンドからゴロフキンがさすがの対応力を見せ、角度やタイミングを変えたパンチを次々と被弾してペースを失い、9ラウンドに右フックを浴び、両ひざをつきプロ初ダウンを喫すると帝拳陣営からタオルが投げ込まれた。この試合は、海外200か国に「DAZN」で生配信されており、海外メディアは“ミドル級世界最強”のゴロフキンをボディー攻撃で苦しめ、最後まで前へ出続けた村田の健闘ぶりに注目した。

リング誌「珍しくゴロフキンはやりにくそうだった」

　米の権威ある専門誌のリング誌は「ゴロフキンが9ラウンドで村田を止め、IBFとWBAの160ポンド級（ミドル級）タイトルを統一」との見出しを取り、「ビッグドラマショーは日本でビッグヒットとなった。比較的スロースタートだった後、ゴロフキンは彼のリズムを見出し、大きな話題となっていた統一戦で村田を9ラウンドで倒し、WBAミドル級タイトルを彼のIBFタイトルに加えた」と伝えた。 　記事は「試合前の友好的な雰囲気を持ち込んだように両者は1ラウンドの3分の戦いの後で、お互いに頭を下げた」と1ラウンド終了後のなごやかな様子を紹介。 「リング誌で5位にランクされている村田は、3ラウンドにいくらか素晴らしい成功を見せた。彼はゴロフキンの序盤の攻勢を耐えGGGをぐらつかせたように見えた、どう猛なボディー攻撃を見せた。その時点からゴロフキンはボディーショットを彼の肘で受けようと明らかな取り組みを見せたが、村田は隙を見出そうと攻撃を続けた」と、2、3ラウンドの村田の左右のボディー攻撃をクローズアップ。 「珍しくゴロフキンはやりにくそうだった。村田は人生をかけて戦い、初めて対するエリートレベルの相手に対して打ち負かされているようには見えなかった」と村田の序盤の戦いぶりを高く評価した。 　だが、5ラウンドからゴロフキンが流れをつかみ、「戦いは（ゴロフキンに）良い流れとなった。村田の運動量は著しく落ち、骨を砕くジャブを軸に構成された多くのパワーショットを浴びた。地元選手（村田）のプライドは彼をリングに立たせ続けたが、（TKO負けは）時間の問題のようだった。9ラウンドは年間最高ラウンドの候補となるものだった。ロンドン五輪で金メダルを獲得した村田は、守勢から攻勢に打って出た」とも伝えた。