<チェジュ航空旅客機事故>重大災害・業務上過失適用か…丘、整備の有無が争点に
韓国警察が務安(ムアン)チェジュ航空惨事関連の捜査に着手し、事故責任者にどのような容疑が適用されるのか関心が集まっている。専門家は業務上過失致死傷容疑だけでなく重大災害処罰法(重処法)違反も適用される可能性があると分析した。 【写真】コンクリートの丘を調べている航空鉄道事故調査委員会の関係者 全南(チョンナム)警察庁捜査本部はチェジュ航空惨事に関連して適用できる法理検討に出た。重処法違反容疑を適用できるかどうかが核心だ。事故が機体そのものに欠陥があったか、あるいは災害予防のための設置・管理などを正しく実施していなかったことが明らかになった場合、航空会社関係者は重処法違反容疑を受ける可能性がある。 ◇責任者1年以上懲役、10億ウォン以下の罰金 重処法は公衆利用施設および公衆交通手段で事業または施設設置・管理上の欠陥で利用者1人が死亡あるいは深刻な被害を受ける事故を重大市民災害として規定している。専門家は今回の事故が公衆交通手段である航空機で事故が発生し、市民・労働者が亡くなったことから重大市民災害に該当すると説明した。また、機長・副機長・乗務員などチェジュ航空所属労働者も犠牲になったことから重大産業災害にも該当する場合がある。この場合、責任者は1年以上の懲役または10億ウォン(約1億643万円)以下の罰金に処される。 ただし、実際の処罰に達するには明らかにされなければならない部分が多い。共同法律事務所「仕事と人」のソン・イクチャン代表弁護士は「機体の欠陥と事故の間の因果関係が明確に究明されてこそ重大市民災害に該当するかどうかを判断できる」としながら「事故が発生した空港滑走路を公衆利用施設と見ることができるかどうかも争点」と話した。 法務法人「為民(ウィミン)」のキム・ナムソク弁護士は「バードストライク、ずさんな航空整備、パイロットの過失などの事故原因により重大市民災害の責任を問える対象が航空会社、空港公社、地方自治団体長などに変わる場合がある」とし「重処法が認められる場合、死亡者数が多いため量刑でかなり不利に適用されて重刑に処される場合がある」と説明した。 ◇「機体欠陥時は重大市民災害に該当」 韓国国土交通部も重処法違反に該当していないかどうかを調査している。これに先立ち、2022年国土交通部が重大市民災害を解説する際に挙げた仮想事例が今回のチェジュ航空惨事と似ているという言葉も出ている。解説書の中で国土部は「A航空が着陸途中に機体欠陥で墜落して利用者1人死亡、5人が負傷した事故に対し、重大市民災害の範囲と原因、災害規模をすべて満たす」と判断した。 重大市民災害容疑で捜査が行われたケースは昨年京畿道城南(キョンギド・ソンナム)亭子橋(チョンジャギョ)崩壊事故や昨年7月に発生した五松(オソン)地下車道惨事など2件だ。事業主または経営責任者が安全保健確保義務不履行など重大災害法を違反して事故が発生すれば1年以上の懲役または10億ウォン以下の罰金に処するように規定している。ただし亭子橋崩壊事故は無嫌疑で終結し、五松地下車道惨事は捜査がまだ終わっていない。 ◇「コンクリートの丘設置、適切だったか」捜査 特に丘型コンクリート材質の「計器着陸装置(ローカライザー)」がまともに設置されていたかどうかの捜査で主な争点に挙げられる。国土交通部の告示「空港・飛行場施設離着陸場設置基準」を見ると、精密接近滑走路の場合、ローカライザーが設置される地点まで安全区域を延長しなければならないが、務安空港はそうではなかったという指摘が提起されている。また、位置的特性上、鳥類退治活動を展開するなど「鳥類衝突(バードストライク)」予防措置を正しくしなくても処罰を受ける場合がある。韓国空港公社など務安空港施設管理の主体がこれをきちんと行っていなかった場合、業務上過失致死傷容疑が認められる可能性がある。 事故機がタイ・バンコクを遅延出発した点などを照らしてみた時に疑われるランディングギア・制動(ブレーキ)装置など機体欠陥や整備管理の有無も捜査を通じて確認しなければならない点だ。この場合にはチェジュ航空が責任を負うことになる可能性がある。