国民「玉木雄一郎代表」が「モーニングショー」に猛抗議 「103万円の壁」見直しに批判的な「玉川徹氏」の指摘は“悪質な印象操作”か
国民民主の主張はポピュリズム
「1996年、新進党の党首だった小沢一郎さんは突然、『消費税は3%に据え置きし、所得税と住民税の半減で18兆円の大減税を実施する』ことを公約に掲げました。当時の私は新進党に勤務し、政策の取りまとめも担当していました。必死に電卓を叩いて財源を捻出したことをよく覚えています。そして国民民主が電卓を叩かずに公約を発表したことも間違いないでしょう。実は昭和の時代から減税を訴えて有権者の関心を得ようとした政党は珍しくなく、国民民主の看板政策を“旧来型”と見なすことも可能です。昔からよくある減税の公約を『103万円の壁を打破する』とか『手取りを増やす』と表現したことで新鮮なイメージを与えることに成功しただけなのです」 伊藤氏によると総選挙時に玉木氏は、「103万円の壁」について現在とは少し異なる主張を訴えていたといい、これは国民民主の“本質”を考える上で重要だという。 「玉木さんは総選挙の際、学生が対象となる特定扶養控除の年収要件引き上げに力点を置いていました。これは何を意味するかと言えば、10代から20代の票を意識していたということでしょう。ところが玉木さんが考えていた以上に『103万円の壁』は広範な有権者に支持され、大きなうねりを起こすことに成功しました。それを見て『178万円への引き上げ』を強く打ち出す方針に変更したわけで、こうした経緯を見ると、やはり国民民主にはポピュリズム(大衆迎合主義)の側面があると指摘せざるを得ません」(同・伊藤氏)
抜本的な政策議論が必要
これほど有権者に自分たちの公約が“刺さる”とは思ってもいなかった──それが国民民主の偽らざる本音のようだ。 「予想以上に有権者の支持が集まり、国民民主はキャスティングボートを握ることになりました。与党との協議で古川さんが10分で退席したことが話題を集めましたが、あれは必死のパフォーマンスというのが本当のところでしょう。拳を振り上げたのはいいが、その拳をどうしたらいいのか分からないようにも見えます。税金や社会保障費などの国民負担率は5割に達する勢いで、現役世代から悲鳴が上がるのは当然です。しかし国民民主の政策が指し示す射程は、あまりにも短いのではないでしょうか。本来であれば社会保障や税の制度を広い視野で抜本的に見直し、現役世代の負担が可能なのはどれくらいなのか、大きな構えで精緻な議論を行うべきです。その際は失われた30年の総括も必要ですし、アベノミクスの検証も避けては通れないでしょう」(同・伊藤氏) 物価高だけに対応するなら恒久減税よりも日銀が利上げを行い、過度な円安を是正する方が近道かもしれない。円が強くなれば100円ショップに安価な食料品が並ぶだろう。ただし、その場合は国債の利払いが増加してしまう。結局、にっちもさっちもいかないのが現在の日本なのかもしれない。