<連載> 今すぐできる終活講座 義父の墓じまいと義母の入院から見えてきた、「お墓」と「お金」の現実 妻の実家が大変②
義母のための支払いで浮かび上がった相続の実態
義母はすでに意思能力がないものの、入院費用の支払い以外に特に法律行為は必要ないため、費用がかかりうる法定後見制度の利用はためらわれるところです。実際には、本人の銀行口座の印鑑がわかれば口座振替の手続きを可能とするといった取り扱いをする病院もあるようです。 お墓や墓石については妻が支払いますが、領収書は義母の名前で発行してもらえることになりました。義妹との間ではいったん妻が立て替えた形を取り、将来的に義母が亡くなったときに清算する約束です。これも相続の実態なのだと感じています。 ◇ 齋藤 弘道(さいとう・ひろみち) 遺贈寄附推進機構 代表取締役、全国レガシーギフト協会 理事 信託銀行にて1500件以上の相続トラブルと1万件以上の遺言の受託審査に対応。遺贈寄付の希望者の意思が実現されない課題を解決するため、2014年に弁護士・税理士らとともに勉強会を立ち上げた(後の「全国レガシーギフト協会」)。2018年に遺贈寄附推進機構株式会社を設立。日本初の「遺言代用信託による寄付」を金融機関と共同開発。