<連載> 今すぐできる終活講座 義父の墓じまいと義母の入院から見えてきた、「お墓」と「お金」の現実 妻の実家が大変②
お墓を建てるために必要な費用とは
妻と一緒に候補となる民営の霊園に行き、どのような条件や費用があるのかを確認しました。そこは寺院墓地ではないのですが、近くの寺が母体となって運営している霊園でした。新しくお墓を建てるために必要な費用の主な項目は以下のとおりです。 ■永代使用料 お墓の土地を借りる費用です。区画の大きさによって異なります。 ■管理料 霊園全体を管理するための費用です。霊園の種類や地域により変わりますが、年間1万円程度のようです。 ■墓石代 石の値段・彫刻代・設置費用です。石の種類によって大きく価格が違います。 ■開眼法要 お墓や位牌、仏壇などを新しく購入した際に、僧侶の読経などを行う儀式のこと。僧侶へのお布施や納骨作業費用などがかかります。 場所は妻の実家の近くですので、都内の霊園と比べると永代使用料は比較的安価に感じたのですが、墓石代は結構な高額です。 霊園の管理人から説明を受けたのですが、お墓の説明の約8割は墓石の話でした。どうやら、母体のお寺は石材店に管理を依頼しているようです。後で調べたところ、民営霊園では利用できる石材店が決まっていることが多く、公営霊園でないと石材店を比較検討できない場合があるそうです。
お墓にかかる費用は墓石の種類が決め手に
義母は妻に「黒御影石(くろみかげいし)がいい」と言っていたそうです。お墓で良く見かける黒い石で、霊園の管理人の話では最も高価な種類の墓石だそうです。黒御影石のうち、少し緑がかった石を勧められました。私たちは小さな区画のお墓を予定しているので墓石も比較的小さいサイズですが、それでも100万円以上します。 調べてみると、黒御影石は斑れい岩といった深成岩で、硬く・重く・吸水率が低い性質があります。硬いので加工や研磨に手間がかかること、インドやスウェーデンなどから輸入することも、価格が高い要因だそうです。 私は比較的安価な花崗岩(かこうがん)など白御影石(しろみかげいし)でもよいような気がするのですが、妻の気が済めばそれでいいと思っています。