「 水素 燃料船 」未来の“船”になるのか!? 究極のクリーンエネルギー「水素」で動く船。国内初、船舶検査に合格した「らいちょうN」に試乗
“究極のクリーンエネルギー・「水素」”で動く船
自動車の世界では「水素を燃料としたクルマ」が販売されているので馴染みもあるだろうが、「水素で動く船」といわれても、いまひとつピンと来ないだろう。 「水素燃料船」は、“水素燃料電池”を用いて発電、または直接水素を燃焼することでエンジンを動かす船舶のことだ。 世界的に「カーボンニュートラル」を目指した「脱炭素化」への取り組みが加速するなか、船の世界も脱炭素化の動きが出ている。 国内でも、東京海洋大学の大出 剛 特任教授らの研究グループが、水素燃料船の研究を行っている。
今回、「ボート・オブ・ザ・イヤー(BOTY)」の特別賞に、大阪万博で走る「水素の船」のベースとなっている水素燃料船「らいちょうN」がノミネートされた。 そこで、“究極のクリーンエネルギー”といわれる「水素」で動く水素燃料船「らいちょうN」に試乗させていただくことになった。
CO2を排出しない、環境に優しい船
試乗記の前に、「水素燃料船」について少し説明をしておきたい。 先ほども少し書いたが、「水素燃料船」は水素燃料電池を用いて発電、または直接水素を燃焼することでエンジンを動かす船舶のことだ。 船を走らせても、排出されるものは「水」だけ。地球温暖化の原因になるCO2などを出さないことから、新世代のクリーンなエネルギー源として船業界からも注目されている。
「らいちょうN」は、日本で初めて「小型船舶の検査(JCI)」に適合した水素燃料船
水素燃料船を研究している東京海洋大では、2010年から実験船「らいちょう」シリーズを開発し、今回試乗した「らいちょうN」は、シリーズ3番目の船にあたる。 今年7月に、日本で初めての「水素燃料電池船」として船舶検査証書(船検証)を収得した。交付を受けるにあたり、国土交通省が定める「水素燃料船に関するガイドライン」を満たす必要があるが、東京海洋大は約2年かけて、水素が漏れた場合の安全対策や制御の仕組みなど、200項目についての基準をすべて満たしている。 「らいちょうN」の動力源は、「燃料電池」と「リチウムイオン電池」のハイブリッド型。 2025年の大阪・関西万博の会場では、この船と同じ技術を用いた船の運航が計画されている。 現在は実用化に向け、実証試験を行っている最中である。
【関連記事】
- 【 特集・水素 燃料船 】究極のクリーンエネルギー「ワールドジェットスポーツマガジン 12月号」
- ヤマハ発動機は、スマホで見られる「水上バイク専用」航行支援アプリ「JM-Safety」を国内初導入。安全航行、条例や規制を分かりやすく地図上に表示「 悪質で危険な 水上バイクを撲滅 」
- 【 水上バイク 】2025年 NEWモデル発表! BRP SEA-DOO(シードゥ) 国内全モデル ラインナップ
- 【 特集・2025年 BRP SEA-DOO(シードゥ)NEWモデル!】「ワールドジェットスポーツマガジン 12月号」
- 全日本チャンピオン 決定! 水上バイクの最高峰レース『2024年度 AQUA BIKE「全日本選手権シリーズ」(国土交通大臣杯)』