「年末くらいは海外旅行に行きたい」→「よそはよそ、うちはうち」…年金月28万円、妻のお願いを無視し続けて高卒叩き上げ・67歳夫が達成した“羨望の貯蓄額”【FPの解説】
日本は世界でもトップクラスの長寿国。長い人生において、家計管理は生涯重要です。現役時代は一家の大黒柱として頑張ってきた人たちのなかには、収入状況が変わる定年後、いつまで続くかわからない老後のお金の使い方について迷う人も多いようで……。本記事では、吉田さん夫婦の事例とともに、老後のお金についてFP dream代表FPの藤原洋子氏が解説します。 【早見表】年金に頼らず「夫婦で100歳まで生きる」ための貯蓄額
勤続42年、高卒叩き上げの夫が誇りを持って定年退職
吉田隆さん(仮名/現在67歳)は兄と姉、妹2人の5人兄弟の次男として生まれました。吉田さんの実家は、経済的に余裕があるとはいえない環境でしたが、穏やかな性格の父親と、しっかり者の母親を中心に、にぎやかに暮らしていたそうです。地元の高校を卒業後は、物流業界の大手企業に就職しました。現在は関西地方に住んでいます。 吉田さんは、大家族の中で揉まれながら育ったためか、自分の言いたいことややりたいと思ったことは、しっかりと主張し、行動に移すことのできる性格です。しっかりものの母親譲りの性格もあるかもしれません。有言実行で人望を集め、努力を欠かさない仕事ぶりを認められたため、会社での昇進は早く、60歳で定年を迎えるまで、関西の中核市にある支店の支店長として勤務していました。 社会に出てから、吉田さん自身も家庭を持ちました。妻(現在65歳、パート勤務)、長男(37歳、会社員)、長女(33歳、会社員)、保護犬の柴犬(2歳)です。子どもたちは、それぞれ結婚し、現在は妻と柴犬との生活です。定年後は、仕事上お付き合いのあった会社の社長に声をかけられ、再就職しました。 吉田さんは、結婚当初から妻には生活費として必要と思われる金額だけを渡し、自分の収入は自分で管理していました。料理、掃除、庭木の手入れなど一通りの家事は、苦にならずにこなします。むしろ仕事の息抜きとして、休日は好んで家事をします。安いものを買うのが好きで、無駄使いはしません。そのおかげで、妻は気楽でしたが、2人の財産がいくらあるのかまったくわかりませんでした。 60歳で退職を迎えた日、家族でささやかなお祝いをしました。退職金は2,000万円。大学を卒業した仲間もいるなかで、高卒で入社した自分がここまでやってこられたのは、家族のおかげと感謝すると同時に、本人の大きな自慢でもありました。
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