イプシロンS、打ち上げ7計画を削除…工程表改訂案
政府の宇宙政策委員会は9日、宇宙基本計画の工程表の改訂案をまとめた。先月発生した新型固体燃料ロケット「イプシロンS」の第2段エンジン燃焼試験中の爆発事故を受け、イプシロンSで計画していた打ち上げ予定の多くを削除した。 【図解】「イプシロンS」ロケットの概要
工程表は宇宙開発の状況に合わせ、政府が毎年末に改訂している。開発中のイプシロンSは現行の工程表で、今年度中の初打ち上げ以降、およそ1~2年に1回の間隔で打ち上げを予定していた。
だが、昨年7月に続き、先月26日にもエンジン燃焼試験中の爆発事故が発生。このため改訂案では、今年度以降に計画していたイプシロンSの9回の打ち上げ予定のうち7回分を削除し、「原因調査や対策を踏まえて今後、調整」などとした。
そのうち2025年度に予定していた宇宙航空研究開発機構(JAXA)の小惑星探査機「デスティニー+(プラス)」の打ち上げは、新型主力ロケット「H3」で28年度に打ち上げる計画に変更する。
一方、退役が決まっている主力ロケット「H2A」の最後となる50号機も、今年度中の打ち上げ予定を25年度に延期する。搭載する温室効果ガスなどを測定できる衛星「GOSAT―GW」の開発が遅れているためだという。