東京タワーの非常階段をわずか3分で駆け上がる!国内負けなし、世界一を目指すママアスリートが挑む「階段競技」の世界
──建物の高さによってタイプが分けられるのですね。走るのに苦労したビルやタワーはありますか? 立石さん:国内だと名古屋の中部電力ミライタワーですね。距離自体は短いのですが、階段の形状がコロコロと変わるんですよね。これまで3回ほど走っていても、なかなか思うようにタイムが縮まらないので、やっぱり難しいなあって。 海外の高層ビルやタワーは、やはりその国の方々の体格に合わせて作られているのか、日本とは一段あたりの階段の高さが違うんですよね。階段の高さが変わると、走る姿勢やテンポも変わるので、個人的には苦手なんです(笑)。
──階段の形状や一段あたりの高さが異なると走りにくくなるのですね。逆に、相性のよいコースもあるのでしょうか? 立石さん:東京スカイツリーはレース時間は約20分と長いのですが、一段あたりの階段の高さが低くて、ワンフロアの段数が少ないんですよ。2022年の日本選手権は下見なしのぶっつけ本番だったのですが、段差が低くて段数も少ないので、ペースを崩さずに淡々と走ることができました。個人的にはすごく好きなコースです。
■世界一を目指して勝ち続ける「カッコいいお母さん」でいたい ──これまでのキャリアにおいて、一番印象に残っているレースについても教えてください。 立石さん:2022年の国内シリーズ戦の第一戦目となった中部電力ミライタワーのレースです。私にとっては産後復帰して初めての大きなレースだったので、「これからこの競技を続けていけるのか」という不安もありました。そこで勝てたのはすごくうれしかったですね。それぞれのレースにいろんな思い出があるのですが、勝って泣いたのは、後にも先にもあのレースだけだと思います。
──今後の目標やチャレンジしたいことはありますか? 立石さん:国内シリーズ戦では一昨年、去年に続いて完全優勝での三連覇を達成したいですね。もちろん簡単に取れるものではないと重々承知の上ですが、世界一を目指してどこまでいけるかにもチャレンジしたいと思っています。息子が生まれたことで「勝ってカッコいいお母さん」でいたいとの思いも強くなりましたし、これからもメダルやトロフィーをたくさん持って帰りたいです!