【解説】愛媛・高知で震度6弱…「南海トラフ巨大地震」との関係は? 日本地震予知学会会長に聞く
日テレNEWS NNN
17日夜、愛媛・高知などで最大震度6弱の激しい地震がありました。今回の地震は「南海トラフ巨大地震」と関係があるのでしょうか。日本地震予知学会会長の長尾年恭教授に話を聞きました。
■56年ぶりの大きな地震
鈴江奈々キャスター 「17日夜、四国地方で最大震度6弱の激しい揺れを観測する地震がありました。この地震について、日本地震予知学会の会長で、東海大学と静岡県立大学の客員教授、長尾年恭さんと話を進めていきます」 「まずは、これまでにわかっていることを整理します。気象庁によると、17日午後11時14分ごろ、豊後水道を震源とするマグニチュード6.6の地震がありました。愛媛県愛南町、そして高知県宿毛市で震度6弱を観測したほか、愛媛県や大分県で震度5強から5弱の揺れを観測しています。この地震による津波はありませんでした」 「被害状況も明らかになってきています。愛媛県では、松山市や宇和島市などであわせて7人が軽傷を負いました。高知県では、宿毛市で1人が過呼吸を訴え救急搬送されたということです。また、大分県では2人が軽いケガをしたということです。長尾さん、今回の地震が起きた豊後水道というのは、よく地震が起きる場所なのでしょうか?」 日本地震予知学会会長 東海大学・静岡県立大学客員教授 長尾年恭氏 「いえ、ここでこういう規模の地震が起きることは極めて珍しい、そういう場所です」 鈴江キャスター 「最近、こういった場所で地震というのはまったく起きていなかったんでしょうか?」 長尾会長 「体に感じない小さな地震は起きるんですけれども、この規模の地震は1968年が最後で、それから56年ぶりという、そういう意味でも珍しい地震です」 鈴江キャスター 「そうすると経験していなかった人も多かったので、本当にびっくりした大きな地震だったということですよね」 長尾会長 「その通りだと思います」
■「南海トラフ巨大地震」との関係は? 気象庁「メカニズムが異なる」
鈴江キャスター 「今回の地震で『南海トラフ巨大地震』が起きるおそれを感じた人もいるかもしれません。そもそも、『南海トラフ巨大地震』がどういうものなのか、あらためてみていきます。想定震源域は東海地方から九州地方にかけてのエリアです。この領域では、前回の地震から80年近く経過していて、今後30年以内の地震の発生確率は70%~80%とされています。最大規模の地震が起きた場合には、太平洋沿岸に大津波が押し寄せ名古屋や大阪などの大都市でも激しい揺れとなる見込みです」 「今回の地震が起きた場所をみてみると、『南海トラフ巨大地震』の想定震源域の中に入っていますが、気象庁は『南海トラフ巨大地震』とはメカニズムが異なること、そして地震の規模が小さいことから、『南海トラフ巨大地震』の発生の可能性が高まったとは考えていないとしています。まずこのメカニズムが異なっているというのはどういうことでしょうか?」