【解説】愛媛・高知で震度6弱…「南海トラフ巨大地震」との関係は? 日本地震予知学会会長に聞く
■最終到達点「南海トラフ巨大地震」へ着実に階段を上っている
鈴江キャスター 「『南海トラフ巨大地震』の発生の可能性が高まったとは考えていないと気象庁はしていますが、ただ『南海トラフ巨大地震』のリスクというのは今もあるわけですよね?」 長尾会長 「結局、地球は生きているので、こういうある程度小さな地震がたくさん起きることによって、最終到達点という『南海トラフ巨大地震』へ着実に階段を上っているというふうにとらえていただきたいと思います」 桐谷美玲キャスター 「今年に入ってから能登、台湾と大きな地震が続いていますが、それぞれの地震に関連性は?」 長尾会長 「能登の地震と台湾の地震、あるいは17日夜の地震と、個々の地震には関係がないです。これは『西太平洋』という日本列島周辺でだんだん…この地点の最終ゴールという言い方はおかしいですけれども、『南海トラフ巨大地震』の階段を上っていっていると、そういう形でいろいろな場所でエネルギーを小出しにしている。実際に『南海トラフ巨大地震』は17日夜の地震の1000倍の規模のエネルギーが出る地震ですから、桁違いの地震の準備過程の1つをみているということです」
■巨大地震を予知できない理由は?
鈴江キャスター 「『南海トラフ巨大地震』の前触れであったり臨時情報とかそういったものがなくても突然、起きることもリスクとしてはありますし、予知も地震というものはできないということですよね?」 長尾会長 「できないというか、できないんですけれども、なんで臨時情報が出るのかというと、地下で起きている異常は非常によくわかるんです。ただ問題は、近代的な観測網ができてからこれが初めてのケースなので、どこまでいったら本当に地震が起きるのかを正確にいうことができない。ただし、異常はわかるのでそれをちゃんと伝えて、それに対する情報リテラシーをみなさんにもってもらうのが、1つ被害を減らす大きな方法じゃないかと思います」 鈴江キャスター 「いつ起きてもおかしくない、そういった地震には常に備えていただきたいと思いますが、今後、地震が起きた地域で注意すべきことをあらためてお願いします」 長尾会長 「やはり、1度大きく揺すられていますので、雨ですとかそれによる土砂崩れ、そういうものは十分、注意してもらわないといけません。そして、最近多いのはライフラインの老朽化です。特に水道などのトラブルが大きくて、これは日本がだんだん経済的に悪くなってきて、更新が非常に遅れています」 鈴江キャスター 「そういった水の備えも大事ということですね」