【解説】愛媛・高知で震度6弱…「南海トラフ巨大地震」との関係は? 日本地震予知学会会長に聞く
長尾会長 「『南海トラフ巨大地震』は海側のプレートが(陸側のプレートに)押し込んで、『逆断層』という海側と陸側のプレートとの境界で発生します。それに対して17日夜の地震というのは、海側のプレートの内部で破壊が起きました。『南海トラフ巨大地震』は『逆断層』、17日夜の地震は『正断層』という、メカニズムが違うというのはそういうことをいっています」 鈴江キャスター 「『南海トラフ巨大地震』はずっとエネルギーがたまっていて、陸側のプレート(の海側のプレートとの接地面)がグンと跳ね上がってしまって、海側のプレートとの境界で起きる地震ということですね?」 長尾会長 「跳ね上がることによって海水が持ち上げられて、巨大な津波が発生するということです」 鈴江キャスター 「ただ、今回は海側のプレートの中が壊れた地震だったからメカニズムが異なっていたということですね」
■今回の地震 「南海トラフ巨大地震」との関連を調べる基準には届かず
鈴江キャスター 「また、気象庁によると、今回の地震の規模は小さいということだったんですが、地震の規模をみると、速報値はマグニチュード6.4、その後、修正されてマグニチュード6.6と0.2大きくなりました。これでも小さい規模といえるのでしょうか?」 長尾会長 「実際には、今気象庁が考えている、臨時情報を出すか出さないか検討するための委員会を立ち上げるには小さいという意味で、この地震そのものは被害も出ていますし、かなりの規模の地震と考えるべきです」 鈴江キャスター 「『南海トラフ巨大地震』の基準というのは、マグニチュード6.8以上の場合は、関連を調べる基準ということでしょうか?」 長尾会長 「その通りです」 鈴江キャスター 「マグニチュードが6.4から6.6に上がりましたが、この0.2という違いというのは、どれくらいの大きさなんでしょうか?」 長尾会長 「マグニチュードというのは『対数スケール』というログスケールというもので、0.2違うと2倍エネルギーが大きくなります。6.6と6.8でも2倍、そういう関係です」 鈴江キャスター 「なるほど、マグニチュード6.8と比べると、それほど大きいものではなかったという評価なんですね」