米求人件数、11月は予想上回る増加 採用減は労働市場の減速示唆
[ワシントン 7日 ロイター] - 米労働省が7日発表した11月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が25万9000件増の809万8000件となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は770万件だった。一方、採用は減少し、連邦準備理事会(FRB)が利下げを急ぐ必要がないペースで労働市場が減速し続けていることを示唆した。 10月分は、前回発表の774万4000件から783万9000件に上方修正された。 失業者一人当たりの求人件数は1.13と、前月の1.12から上昇した。 業種別の求人件数は、専門・ビジネスサービスでは27万3000件、金融・保険は10万5000件、私立教育は3万8000件、それぞれ増加した一方、情報セクターでは8万9000人減少した。 求人率は前月の4.7%から4.8%に上昇した。 採用件数は12万5000件減少し、526万9000件となった。企業規模別では、従業員数が1─9人の企業と従業員数が50─249人の企業で減少が顕著だった。専門・ビジネスサービスと製造業で大幅に減少した。採用率は3.3%と、前月の3.4%から低下した。 解雇者数は176万5000人でほぼ横ばいだった。 離職者数は21万8000人減少した。 ハイ・フリークエンシー・エコノミクスのエコノミスト、カール・ワインバーグ氏は、労働市場の急な崩壊や、差し迫った景気後退の兆候はなく、むしろ経済が完全雇用に近づいていることを示していると指摘。FRBは利下げを急ぐ理由は見い出せないとの見方を示し、「労働市場がそれを必要としていない」ことを理由とした。