ヨーグルトを食べて体調が悪化…じつは「日本人」にとっては「意味がない8つの健康法」
5 日本人がヨーグルトを毎日食べると食物アレルギーを発症することも
食物アレルギーにはいくつか種類があり、そのうち最も多い即時型と言われるタイプでは、卵、牛乳、小麦、エビ、カニ、そばなどを食べた直後に蕁麻疹や呼吸困難、腹痛などがあらわれます。そのため診断がつきやすく、原因食物もすぐわかります。 これとは別に遅延型と呼ばれるタイプがあり、こちらは免疫細胞が活性化するのに時間がかかるので、原因食物を食べて数時間から数日たってから症状が出現します。その症状も、頭痛、発疹、疲労感、めまい、抑うつ、下痢、肌荒れなど多彩なことから、診断が難しく、疲れやストレスのせいと勘違いしたまま、症状に苦しむ人が少なくありません。 ヨーグルトなどの乳製品が原因になりやすいとされ、頻繁に食べると発症率が上がりますが、皮肉なことに、食べている人は体に良いと信じているので、ヨーグルトのせいで体調が悪くなっていることになかなか気づきません。 では、そこまでして腸内環境の改善につとめる必要はあるのでしょうか? 日本の研究グループが、日本を含む世界12ヵ国の人の腸内細菌を比較しました。すると、細菌の種類が国ごとに大きく異なり、日本人の腸内細菌は体に有益な機能を持つものが多いことがわかりました。外国人とくらべてビフィズス菌をはじめとする善玉菌が多く、悪玉菌が少なかったのです。 先ほどの牛乳にしろ、ヨーグルトにしろ、乳製品は健康に良いという考え方は欧米から入ってきたものです。体調の変化に気を配ることで、合う、合わないを自分で判断したいものです。
6 日本人が夏バテをおそれてしっかり食べれば太るだけ
日本人の基礎代謝には大きな特徴があります。基礎代謝量が季節によって変わり、それにつれて食欲が変動するのです。 図2─2のグラフに日本人の基礎代謝量の1年間の変化を示しました。春から夏にかけて下がり、秋から冬に向けて上がっています。「天高く馬肥ゆる秋」の言葉どおり、冬になると日本人の基礎代謝量は夏より8%ほど上がり、食欲も高まります。寒い中で体温を維持するには、体内でエネルギーを大量に燃やす必要があるからです。 逆に、夏は暑いのでエネルギーを燃やす必要がありません。そのため基礎代謝が1年で最も低くなり、これにともなって食欲が減って、活動量も自然に下がります。夏になると「夏バテを防ぐために、しっかり栄養を取りましょう」とよく耳にしますが、基礎代謝が下がっているのにカロリーの高いものを食べたら太るだけです。 それに夏バテになるのは、暑さで食が進まず、体力が落ちるからではありません。暑い屋外と冷房が効いた屋内の温度差による自律神経の乱れや、寝苦しさによる睡眠不足、高温多湿による発汗の異常などが重なって起きてくるので、食べて防げるものではないのです。 夏は食が細くなるのが自然です。体にたくわえられないビタミンやミネラルの摂取にさえ気をつけていれば、神経質になって無理に食べる必要はないでしょう。 欧米人など肉食中心の人種は、肉に含まれる蛋白質が起こす「DIT反応」、別名「食事誘発性熱産生」により、体内で活発に熱を産生しています。そのため夏でも基礎代謝があまり下がらず、非常に暑がります。 欧米の夏が日本の夏のように蒸し暑かったら、彼らはとても耐えられないでしょう。体温も違い、日本では体温が37℃以上になると熱があると言いますが、米国では38℃以上。人の体は、暮らす環境に適応しながらできてきたということです。