ヨーグルトを食べて体調が悪化…じつは「日本人」にとっては「意味がない8つの健康法」
7 日本人の便秘予防、食物繊維を摂取するだけでは不十分
便秘は不快な症状を起こすだけでなく、便に含まれる有害な物質が腸に長くとどまることで大腸がんの発症率が上がると言われてきました。しかし、日本で7年にわたって実施されたコホート研究から得られた結果をもとに、厚生労働省が、「お通じが毎日ある人も、週に2~3回しかない人も、大腸がんの発症率は変わらない」と発表しています。 排便のリズムは個人差が大きいので、はっきりした便秘の定義は存在しません。日本内科学会は、「3日以上排便がない状態、または毎日排便があっても残便感がある状態」を便秘と呼んでいますが、このうち、とくに大切なのが残便感があるかないかです。たとえ週に1回しかお通じがなくても、すっきり出るのであれば心配ないことが多いものです。 それでも便秘が気になるなら、どうすればよいでしょう。食物繊維の摂取不足が便秘を招くのは事実で、米国疾病予防管理センター(CDC)も、便秘に関するガイドラインで食物繊維と水分を十分摂取するようすすめています。 図2─3に示すように、日本人1人1日あたりの食物繊維摂取量は、60年前の3分の2まで減りました。食物繊維を多く含む穀物、たとえば玄米や雑穀をあまり食べなくなったのがおもな原因です。 食物繊維の摂取を少しでも増やす努力が必要なのは言うまでもありませんが、日本人の便秘には、もう一つ、隠れた原因があります。脂肪の取り過ぎです。 食べた物が便になるまでの時間は、日本人は平均1日半と言われています。といっても、消化に良いものを食べれば1日もかからずに体内を通過しますし、逆に消化に悪いものを食べると3~4日かかることもあります。食事の内容によって大きく変わるのです。 日本人は伝統的に炭水化物中心の食生活を送ってきたので、脂肪や蛋白質が豊富な動物性食品を消化、吸収する能力が低く、たとえば胃酸の分泌量は欧米人の半分程度しかありません。そのため、肉、肉製品、揚げ物、乳脂肪を多く含むケーキやクリーム、ナッツ類、チョコレート、スナック菓子などは消化に時間がかかり、便通が遅れる原因になります。便秘が気になる人は動物性食品の摂取をひかえてください。水分をしっかり取り、規則正しく食事をすることも大切です。