ヨーグルトを食べて体調が悪化…じつは「日本人」にとっては「意味がない8つの健康法」
4 日本人が赤ワインを飲んでも害のほうが多い?
以前、赤ワインが動脈硬化を防ぐと話題になりました。フランス人は肉やバターなど動物性脂肪を多く取っているのに、狭心症や心筋梗塞などの心臓病による死亡率が欧州で一番低い。それは赤ワインに含まれるポリフェノールという物質が悪玉LDLの酸化をさまたげ、動脈硬化を起きにくくするからだというのです。これを聞いて、日本でも、ちょっとした赤ワインブームが起こりました。 じつは、日本は心臓病の発症率が世界で最も低い国の一つで、死亡率もフランスより下なのです。心臓病の予防を目的にわざわざ赤ワインを飲むのは、「隣の芝生は青い」そのものです。 それにポリフェノールは赤ワインにだけ含まれているわけではありません。果物で言うと、ブドウよりブルーベリー、スモモ、イチゴに多く含まれ、コーヒーにも赤ワインと同じくらい入っています。これ以外にも、ニンジン、ホウレンソウなどの緑黄色野菜、大豆、ゴマ、ニンニク、ナッツ類、海藻、魚、緑茶など、身近な食物にいくらでも入っており、好き嫌いなく食べていれば十分摂取できるはずなのです。 それより問題なのはアルコールの害です。世界保健機関(WHO)の2014年の統計によると、純粋なアルコールに換算した1人あたりのアルコール消費量は、フランスを1とすると米国が0・77、日本は0・66です。飲酒は肝臓の負担になるだけでなく、アルコールそのものに発がん性があるからか、フランスは肝臓がんの死亡率が他の欧米諸国の2~3倍高く、男性に限ると米国の5倍にのぼります。 しかし、アルコールによる発がんの問題は欧米人より日本人のほうが深刻です。日本人の約半数はアルコールを肝臓で分解する酵素の働きが生まれつき弱く、こういう人は飲酒によって、食道や大腸、肝臓などのがんを発症しやすいことが知られています。たとえば、食道と、のど(咽頭、喉頭)のがんを合わせると、日本酒にして1日1・5合以上飲む人は、まったく飲まない人とくらべて発症率が8倍になり、1日2合以上飲む人は50倍以上高くなります。日本酒1合は、ビールなら中びん1本、焼酎なら0・6合、ワイン4分の1本、缶チューハイ1・5缶に相当します。これに対して、欧米白人には、この酵素の働きが弱い人はいません。日本人はアルコールに弱い民族なのです。