ラーメン官僚が推す古都・奈良県の本当にウマい店。奈良最強の秘境店『ラーメン河』
奈良県最強格の“秘境店” 『ラーメン河』とは?
吉野郡吉野町の緑深き山中に、ポツンと佇む名店がある。それが『ラーメン河』。奈良県のラーメン店の中でも指折りの、いわゆる“秘境店”だ。爽やかな水音を奏でながら流れる吉野川上流部を眼前に望む、およそラーメン店とは思えないほど風光明媚なロケーションが、訪問客を出迎える。 日本全国には、市街地から隔絶された場所にあり、公共交通機関でのアクセスが困難な場所に店舗を構える“秘境店”がいくつか存在する。例えば、東京都・奥多摩町の『のんきや』、大分県・佐伯市の『二代目ラーメンカヨ』、宮城県・蔵王町の『中華亭分店』、山口県・周防大島町の『たちばなや食堂』、千葉県・長南町の『らーめん八平』などが、私が知る典型的な秘境店だが、『ラーメン河』の“秘境度”は、ここで挙げた店舗と比べてもかなり高い。
そんな世俗とは遠く離れた立地にありながら、『ラーメン河』は、奈良県屈指の超人気店としての顔も持ち合わせるのだから、驚きだ。営業時間は、朝の10時から、1日50杯用意する「ラーメン」が完売するまで。 公式の営業時間は12時までとなっているが、それはもはや名目と化している。特に土日は、10時の開店前に売り切れてしまうことも日常茶飯事。『ラーメン河』は記帳制を採用しており、記名が1日の提供杯数分に到達すると、自ずと「売り切れ終了」になってしまうのだ。私が同店を訪れた時も、午前7時半に記帳を済ませた時点ですでに10名の記名があり、10時過ぎにお店を訪れた人は、ことごとく「営業終了宣告」を受けていた。 つまり、9時台、いや、他の客の来訪時間の上振れを考慮すれば、8時台には記帳台への記名を済ませておかなければ、『河』の1杯にありつける保証はないということだ。同店の席数は9席で、しかも、ラーメンの提供に一定の時間がかかることを考え合わせれば、8時台や9時台の記名では、1時間以上の待ち時間が発生することは確実。週末にスムーズにラーメンを食べるには、7時台での記名がマストだと言えるだろう。