ラーメン官僚が推す古都・奈良県の本当にウマい店。奈良最強の秘境店『ラーメン河』
大阪・京都と縁が深い奈良のラーメンシーン
冒頭の地図を見れば一目瞭然だが、隣接する奈良県と大阪府・京都府のつながりは、ラーメンコンテンツ的にも密接だ。例えば、いま関西圏を席巻している「泡系白湯ラーメン」の存在を同エリアに知らしめた最大級の功労者は先に挙げた『ラーメン家みつ葉』だし、奈良市の『麺屋えぐち』のように、大阪で功成り名遂げた実力店が、新天地を奈良に求めるケースもある。 京都とのつながりで言えば、京都府南部に本店を構える「豚骨」の実力店『無鉄砲』は、『がむしゃら』、『しゃばとん』、『つけ麺無心』などその系列店の多くを奈良県に出店させている。ちなみに『ラーメン家みつ葉』の店主も、元は京都府南部の名店『俺のラーメンあっぱれ屋』で修業を重ねた人物だ。 まとめると、以下の2点が奈良県ラーメンシーンの大きな特徴で、これさえ押さえておけば大体はこと足りると思う。 【1】奈良県のラーメン店の大多数は「北西部」に集中。それも、尋常ではないほどの集中度合い 【2】隣県である大阪府、京都府のラーメンシーンとの関係が極めて密接
が、それ以外にも、奈良県のラーメンシーンを知るに当たり、押さえておいたほうが良いことが若干ある。 【3】奈良県には、天理市を中心に「天理ラーメン」というご当地麺が根付いている 【4】奈良県の人気上位店は、とにかく行列が凄まじい。場合によっては、2、3時間待ちもザラ 【3】の「天理ラーメン」を提供する代表格は、『彩華ラーメン』と『天理スタミナラーメン』だが、最近では、それ以外の奈良県内の実力店においても、「天理ラーメン」の要素を採り入れた1杯の提供を試みるケースが増えつつある。 【4】は、奈良県でラーメンの食べ歩きを行うに当たっての要注意事項だ。「ウマいラーメンを食べるためなら、時間を惜しまない」のが、私が経験から学習した奈良の人々の県民性。例えば、『ラーメン家みつ葉』、『麺処と市』、『ラーメン河』といった店舗で、彼らの深いラーメン愛を肌身で実感することができるだろう。 奈良県のラーメン店は優良店が多く、すべてのオススメ店を紹介することは、およそ不可能だ。なので、このコラムでは割り切って、「店舗密集エリアのみに目を向けていると見落としがちな店舗」と、「私が最近訪れた新規開業店舗」に対象を絞り込んでご紹介していきたい。奈良県を訪れた際に、ぜひ足を運んでいただければ嬉しい限りだ。