【菊花賞】メイショウタバル成長見せた 馬なりで力強い伸び披露 テンションがVへの鍵に 浜中「気分害さないように運びたい」
「菊花賞・G1」(20日、京都) ダービー馬のダノンデサイルは16日、栗東坂路で追い切り、4F54秒2-40秒1-13秒1と軽めの調整で最終チェック。大一番へ向け、万全の仕上げを示した。ダービーと菊花賞を制しての2冠馬誕生となれば、1973年タケホープ以来。ダービーからの直行だが、約半世紀ぶりの偉業へ隙はない。神戸新聞杯制覇メイショウタバル、セントライト記念覇者アーバンシックの2頭も最後の1冠へ、きっちり仕上がった。 メイショウタバルは浜中を背に栗東CWで最終追い。折り合いを欠く面を見せながらも、馬なりのまま力強く伸びて6F80秒9-36秒2-11秒3を計時した。鞍上は「馬場入りをスムーズにできずテンションが高くなった」とジャッジは厳しいが、「皐月賞後から我慢させる調教をして、先週の追い切りでは今までで一番我慢できていた」と確かな成長も実感する。 春のクラシック戦線は波瀾(はらん)万丈。皐月賞は超ハイペースで暴走して17着。ダービーでは枠順確定後に挫石で出走取消と、不完全燃焼のまま涙をのんだが、前走の神戸新聞杯で一変。マイペースの逃げを見せ余力十分に勝ち切った。「休養を挟んで心に余裕がありいい内容だった」と振り返るように、改めて高い能力を証明した。 大幅な距離延長が鍵となるが、「通用する力を持っているので気分を害さないように運びたい」と力を込める。騎手時代に同じ松本オーナーのメイショウサムソンとのコンビで06年菊花賞に挑んで4着に敗れた経験のある石橋師は「騎手時代からお世話になっているオーナー。感謝の気持ちでいっぱい。今度は送り出す立場ですが、当日までに体調を整えて出走させたい」と闘志を燃やす。陣営の思いを胸にラスト1冠をつかみ取る。