3位は杉咲花、2位は宮本信子、1位は…国内ドラマ「2024年俳優ランキング」女性部門ベスト10
■記憶が1日しかもたない脳外科医を好演 3位 杉咲花 52点 医療ドラマで真摯な役づくり、格を見せつけた 「アンメット」(関西テレビ・フジ系)で、記憶が1日しかもたない脳外科医という難役を演じた。若い女性の脳外科医という設定に懐疑的だったが、その真摯さにどんどん心を奪われた。 毎朝、昨日までの日記を読み返して、患者の情報も人間関係も1から覚え直すという苦行。相当無理め設定だが、杉咲に託して正解。破天荒でも天才でもない医師が苦悩を背負いながらも日々懸命に生きる姿が尊かった。 「海に眠るダイヤモンド」(TBS)では食堂の娘・朝子を健気に演じた。彼女の実力とキャリアを十分発揮できる、良作に巡り合っている印象だ。 ■NHKドラマでの「母」役が圧巻 2位 宮本信子 53点 品格と威厳と茶目っ気を共存させる無二の俳優 今年はテレビでも配信でも大活躍。「忍びの家」(Netflix)では忍びの一族・俵家の祖母・タキ役。現役を離れ、ハンバーガーをモリモリ食べたりする茶目っ気もあるが、機敏に動かずとも忍びの貫禄と威厳を体現。 「海に眠るダイヤモンド」では端島出身の会社社長役。かつて愛した男に瓜二つのホスト(神木隆之介)に恋人を装わせるも、その過去には謎が多い。端島に思いを馳せる時の表情は、言葉以上に多くを語る。ふわーっと背景が広がっていくような錯覚を提供。数十年を遡って描く設定に、これ以上の適役はいない。 で、最大の功績は「母の待つ里」(NHK BS)で演じた「母」役である。宮本は日本国民全員の母を演じられると思わせた、トリッキーな設定だ。独特の方言で昔話を聞かせる場面も、類を見ない迫力が。地上波で再放送しないかしらね。 故・伊丹十三監督の映画で築いてきた「品のあるかわいらしさ」「特殊な職業の独特な威厳」「機転と突破力」などの魅力が再び開花した、そんな年だった。