「現場とつくる側の連携が重要」モニタリング会議後、小池都知事が会見(本文2完)
分析に影響が出うるとみているのか
日本経済新聞:日経の上月です、よろしくお願いします。発生届様式の簡素化について、大曲先生にお聞きしたいと思います。今回、簡素化することによって東京都のこうした感染状況の分析などに、どのような差し障りがありうるのかということと、国のアドバイザリーボードの資料だと、HER-SYS上は任意として入力できるように引き続きしますということが記載してあったんですけれども、それでも分析に影響が出うるというふうにみてらっしゃるのでしょうか。よろしくお願いします。 大曲:まず、入力項目自体を整理していくっていうこと自体は、多くの方が賛成されていることです。まずこれを前提としてお話をします。で、入力されている情報は、いろいろなことに使われていますが、2つあって、1つは感染の状況を示すということが1つ。もう1つは、実はこの情報を使って、特に保健所をはじめ、自治体の方々が、陽性の方々の入院や、あるいはホテル療養だったりとかをするための調整に、この情報は使われているんですね。実はそのための、すごく大事な情報です。それを基に今、行政サービスが行われていると。 ですので、実際、取らなくなった情報の中に、そうした、調整のために必要であった情報が残っていると、結局調整がしにくくなるわけですね。そういう課題があります。そういうこともあったので、ちゃんと折り合いをつける。最低限必要なものは任意という形で、ちゃんと入力できるようにして、引き続きそうした調整に使えるようにするということになったと聞いています。
非常に必要なデータもある
小池:この件については、東京の場合は東京都医師会の皆さん、病院協会の皆さんが大変ご協力いただいて、このHER-SYSについての記入。東京はそもそも患者数も非常に多かったわけですけれども、それでも80%を超える方、病院の方々、発生届ということでHER-SYSを出していただく。ちょっと現場感覚として、猪口先生いかがですか。 猪口:デルタ株のときに入院調整が非常に逼迫したというか、なかなか大変だったんで、診療・検査医療機関が、その患者さんをずっと診るという体制を取るときに、同時にHER-SYSの入力をしないと、うまく診ていけないということで、東京の場合には、そういうかなり厳しい状況になったからこそ、われわれのほうではHER-SYS入力を徹底的にやっていくようにして、かなり、ほとんどのところで入力しているわけなんですね。 今、この状況で変えてくれるのはありがたいことはありがたいんですけれども、HER-SYS入力を上げるために、率を上げるために重要な情報がなくなるということになると困るんではないかなと思っています。具体的な内容はきのう、今日知ったところですので、もうちょっと精査して、われわれとしては、医師会としては意見を言わなくてはいけないかなと思っています。 小池:この際、賀来先生いかがですか。 賀来:今、お2人の先生が言ったとおりだと思います。簡素化することは、とてもいいことだと思います。情報を簡素化していくのは。ただ、その中に取り入れる情報が、やはり入院調整ですとか、疫学のデータですとか、そういったものがやっぱり、非常に必要なデータもありますので、症状や、検査とか、そういったようなものはやっぱりしっかりと、この書式の中に残していくということが非常に重要で。そこがなくなってしまうと、本当の疫学データみたいなものが、なかなか得られなくなるということで、それは非常に重要なポイントだろうと思っています。 小池:この際、西田先生と上田先生。なんかパネルディスカッションみたいになってきましたけど。