「配属ガチャ」に対応!新卒採用はここまで来た、Z世代に多いタイプは「やりたいこと至上主義」だった
総合商社の伊藤忠商事は、従来実施をしていた1on1(オンライン)の社員訪問に加えて、1onNのグループ社員訪問(社員1名対学生複数名のオンライン座談会)を実施。結果として、これまで機会を提供しきれなかった学生を受け入れることが可能になり、2025年卒は前年比で約1.5倍の学生との社員訪問、またはグループ社員訪問が実現した。 2023年10月から新たに取り組んだ1onNにおいては、学生から「1対1の社員訪問をしたことがない学生でもハードルが低く参加しやすかった」という前向きな声が多数あったという。
メガバンクの三菱UFJ銀行では、数年前から「メンター制度」を取り入れている。インターンシップに参加した就活生などに、選考を伴走する相談員として3年目の若手行員がつく制度だ。 メンターを務める行員は1年間限定で人事部の採用事務局所属となり、1人あたり数十人~100人程度の学生の相談に乗る。志望動機のブラッシュアップや選考面接のフィードバックなどのサポートが受けられる。 三菱UFJ銀行人事部採用・キャリアグループの船本浩一次長は「最終的には『(行員と接してみて)人で決めました』という声もあり、学生の評判はいい。今の学生は『三菱UFJで何が学べるんだっけ』という観点でわれわれを見ており、必ずしも1社にとどまることを所与としていない」と語る。
大企業が採用のミスマッチに配慮する動きが広がる一方、就活生と企業のマッチングを高めるユニークな民間サービスも登場している。「令和の就活」は、まさに様変わりしている。(後編に続く)
常盤 有未 :東洋経済 記者